金融

米国は二度死ぬか。

朝起きて、日経を見たら、米大統領選特集だった。他国の選挙なんぞ、まともに見ていないので、この記事だけを見ての反応ではあるが、政府は小さくあるべきという考え方は、米国においてはある種の宗教なんだろうと思うし、こんな政策で我らが同盟国は大丈夫…

韓流バブルとAKB48

ファミリマートに寄ったら、ぺ・ヨンジュンが微笑んでいた。傍らにKARAのポスターもある。ファミリーマートはLove韓流らしい。ローソンに行けば、名前は知らないが、明らかに韓流と判るタレントのグッズプレゼントとのことである。韓流は、割とブームなのに…

どこも格差ここも格差

Bloombergに面白い記事が落ちていた。ついに投資銀行がウハウハだった時代が終わるかもしれない、という内容である。 ウォール街に「出口がない」、銀行が恐れる衰退と失望の長期暗黒時代 バンカーにとって衰退と失望の時代は何年も続きそうだ。業界幹部や投資…

すかいらーくの再生

野村プリンシパル・ファイナンスがすかいらーくをEXITして、米系のベイン・キャピタルが新スポンサーとなるディールが2600億で成立しそうだというニュースが流れた。2006年に野村PFがすかいらーくを買収したディール時にブログエントリを書いて、その後、ニ…

プラスチックマネー

土曜にたまたま東京の東側に居たので、有楽町西武の閉店を見に行くことにした。生まれ育った街から一番近い都市は浜松で、浜松の百貨店と言えば、子供の頃は西武だった。この西武はもう撤退して無くなったけど、自分の中ではデパートと言えば西武、みたいな…

インフレ懸念はバランスシート調整と共に消えゆく

最近ネタ元はTwitterばっかりだけれども、クルーグマンの"Just call him Bernanke-sama"という記事を紹介して下さった方が居た。そこに載っていたグラフが、大変インプレッシブだったので、久しぶりに金融ネタに回帰してみることにする。○日米CPI推移 ・元記…

高利貸が取ったカネはどこに行ったのか。

引き続いて武富士の話である。過払い問題の本質は、利息制限法で規定される金利以上に借り手が過去払っていた金利の返還である。武富士の全過払い債務は1-2兆円だという報道が出ていたが、この幅広いレンジに戸惑うものの、年間1000億弱のキャッシュアウトが…

武富士会社更生法考

武富士が会社更生法との報道が出ていた。消費者金融の中堅以上では、アエルもクレディアも民事再生法だったが、なぜ会社更生法かと考えてみると、中の人の苦労が偲ばれる。正しい意思決定への正しい第一歩なのだろう。月曜の株価は勿論ストップ安ということ…

人口増は成長の母か、それとも失業の母か

ユーロもドルも一息ついた風情だ。この長期のユーロドルチャートを見ても、1EUR=1.2-1.3USDというのは2004年から2007年のボックス相場と同じで、居心地の良い水準だろう。○ユーロドル10年チャート(1ユーロ=xドル) 長期で見れば、人口減少国であるユーロは、…

日本の病の一つ目。「戦力の逐次投入」

まだ、考えがまとまりきって居る訳では無いが、幾つか典型的に日本人や日本企業が構造的、或いは風土的に不得意な種類の意志決定が有る気がする。読んで頂いている皆様も常日頃から、同じ事を感じているのでは無いだろうか。こういうステレオタイプに物事を…

円高ビジネス

強烈に忙しい。ブログどころか、呟ける暇も無いというのが正直な所だったが、やっと、ちょっと一息という感じである。いつの間にかドルは85円になっていた。銀行で働いていた時は、僕は根っからの円高派で、座ってたデリバティブチームから営業部門の方に行…

経産省編「日本の産業を巡る現状と課題」について

2月に経産省が、「日本の産業を巡る現状と課題」と題する産業構造審議会の部会資料を発表した。これにコンパクトに日本の産業を巡る現状がまとまっている。3月には既に経済系ブログで話題になっていたので、乗り遅れた感はあるが、面白い内容なので、一人時…

イカれたアウディとイカれたドライバー

アウディのオールロードクワトロという車に乗っている。1ヶ月前からエンジン始動時に異音と振動が出ていて、数ヶ月前も同じ症状でアウディのアフターセールスセンターに持ち込んだら、パワステオイル切れだったんだけど、こんな短期間で再発ということは、オ…

今年の大予想2つ。

気付いたら期末が終わって新年度である。今年はろくに年末年始に1年の大計を立てなかったので、新年度を機に金融・投資業界の残りの9ヶ月を予想してみることにする。個人的に絶対起きると思うのが下記の2つである。 人材のB to C to B 過去1年半の苛烈なリス…

輸出倍増計画の衝撃

オバマが発表した輸出倍増計画は衝撃だった。遂に米国まで外需を頼りにするとは世も末である。考えてみればロジカルであって、国民可処分所得から民間消費と政府消費を引けば貯蓄となるが、民間の中の個人と政府が過剰負債になっているアメリカは、貯蓄を増…

平成電電事件とディープポケット

平成電電事件で、広告掲載したから騙されたと、損した出資者が新聞社を訴えた事案は、まず順当に地裁で却下された。 広告掲載3紙の責任認めず 平成電電事件で東京地裁 破綻した通信ベンチャー企業「平成電電」が虚偽の宣伝で出資金をだまし取ったとされる詐…

DD続く。

年末年始はタイでゴルフ合宿してたのだが、帰ってきたら目の覚める様な仕事上のイベントが続き、ジェットコースターの様な1月前半だった。遅ればせながら明けましておめでとうでございます。 さて、前にゴルフ会員権の購入を考えて、視察巡礼をしているとい…

新興国経済は世界を救う

ドバイショックを機に、もう新興国もダメだみたいな議論が横行したが、少し考えれば、外国からの借入に頼った国以外の新興国はドバイとは無関係なことは明らかである。その典型的な例は中国であって、かつて世界を支えた米国の消費は低迷しているが、中国の…

ドバイ・ショック

ああ、やっぱりという僅かな既視感を覚えるドバイ・ショックを機に円が急騰している。イスラム金融への対応が遅れ、金融的に中東から最も遠い日本が、質への逃避として買われたのである。リスクをとって、経済的関係を強めた欧米諸国が売られ、携帯同様に金…

鉄の忍耐

株の根拠無きリバウンド相場は終わり、日経平均は1万円を挟んだ攻防が続いている。GDPはリバウンドでまぁまぁな数字が出ているが、12月のボーナスの減少率予想を見ていると個人消費の動向は厳しそうだ。もちろん政府支出もサステイナブルでは無いので、個人…

銀行再々編

久しぶりに銀行の再編が相次いでいる。新生とあおぞらに続いて、住友信託に中央三井が統合を発表した。 銀行というのは基本的に規模の利益が大変良く効く業態なので、こういう似た様な銀行が統合するのは経営的なメリットが判りやすい。例えば、日本の銀行は…

オーバーパーの世界への復帰

オーストラリアのANZが英国の銀行であるRBSのアジアリテール網を買収するという報道が出ていた。金融危機後の回復過程としては、一つのマイルストーンだと思う。これまで、米系投資銀行を巡る再編や、ドレスナー−コメルツの様な国内固めをするM&Aから、つい…

Risky-transaction fees

今日の昼くらいに、アメリカにおいて、金融機関が高リスク取引を今後手がける際にセーフティネットの為の保険料徴収を考えているとバラク=オバマが考えているという報道が割と唐突に日経で流れた。先週くらいに流れていた規制案の中で、デリバティブ関連の規…

CDSの功罪

余り大きな話を書くつもりは無いが、GMのネタを書いていて思ったことである。Chapter11の申請前後で、GMには1728億ドルの負債があり、その内275億ドル、つまり2.5兆円位が無担保債務であった。この無担保債務の結構な部分が社債の様だが、その内、31億ドルは…

JALに貸す意味

日本航空=JALに対する日本政策投資銀行の「危機対応融資」なる1,000億円規模の融資に、一部政府保証が付く様だ。 せっかく改善してきた市場センチメントを悪化させない為に1,000億円使った様に見える。もっと言えば自民党による選挙対策かもしれない。選挙前…

インフレは多分来ない

昨年度の終わり、金融危機のクライマックスの頃だったか、銀行救済に自動車にデフレ防止にお札を刷りまくる政府を見て、次は狂乱のインフレ時代が来ると言う人がぼちぼちと存在した覚えがある。僕も言われるまでもなくそんな直感がしていたし、投資銀行コミ…

今にしてリーマンを悼む

早いものでリーマン・ブラザーズ証券が破綻して、半年が過ぎた。かなりの田舎でも、当時は宿の女将がリーマンリーマン言う位、もの凄い知名度になってた覚えがある。 さてそのリーマン・ブラザーズだが、野村が引き受けたものの、東京オフィスについて、統合が…

バッドバンク・官民ファンド構想から見るアメリカ

なんか株価は年度末が見えた頃から上がり続けで、全般に金融業界もほっと一息、春うららな感じである。僕も花見に3回も行ってしまった。夜桜の中、酔っ払って騎馬戦をする羽目になるとは思わなかったが・・。 それはともかく、全般にセンチメントが良くなっ…

公的資金投入は儲かるか?

英国の銀行救済は米国よりも進んでいる様だ。RBSは、不良資産3,250億ポンドを切り離して、損失の大半について政府保証を受けた上で、330億ポンドの資本注入を受けた。同様に、不良債権の多かったHBOSをうっかり吸収して苦しんでいるロイズも、2,600億ポンド…

これから先進国はどう食っていくんですかね。

GDP年率換算▲12.7%ショックは記憶に新しい所だが、2003年位に端を発するダラダラした景気回復に外需が大きく貢献したのは間違い無い。ただ、ここんとこあちこちで見るGDPの輸出依存度、つまり輸出÷名目GDPの議論は正確とは思えない。2003年位迄は10-11%だっ…