仕事の合間

 金融業界で、この金融危機の影響を受けてない所は無いと思うが、それで暇になっているファームと、忙しくなっているファームは、きっちり2つに分かれる気がする。ただ、仕事は抱えているプロジェクトによっても違うから、多忙か否かは、むしろファームというより個人ベースで分かれるのかも知れない。
 僕はどっちかというと忙しくしている(なってしまった)方だとは思うが、今よりも忙しい時期は過去山ほど有ったので、睡眠時間という点では、ある程度取れている気もする。どちらかというと、マクロ経済のインパクトがでかすぎて、個人技の及ぼせる領域が余りに小さい、というのが本当の所か。こういう時は、逆に視点を大きく持たざるを得ないので、それはそれで悪いことでは無いのだが。
 そんなこんなで、仕事に余裕が無いと色々なものに気を配れなくなってくるので、ふと時間が空いたりすると、発見があったりする。この前、湾岸エリアに赴いたのだが、打ち合わせと移動の間にふと10分位の隙間時間が出来たので、茶でも飲もうかと思いきや、倉庫は有ってもカフェが殆ど見当たらない地域だった。しょうが無く、ブラブラと歩いてみると、殺伐とした地域ならではの面白さを感じて、久しぶりにシャッターを切ってみた。やや暖かな日だったからそういう気になったのかもしれない。でも、空はクリアな冬空だったのだが。
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[SONY Cybershot W300/ 35mm F5.6]
 いつも通っている道だけど、毎度こんな造作をよく作ったもんだと思う。バブル前後の時代の日本の思い切りは凄い。最近、首都高速湾岸線に晴海線というのか、東雲から分岐して豊洲の方に行く分岐が余り話題にもならずに出来あがったが、あそこも高々とジェットコースターみたいにジャンクションが持ち上げられていて、かつ道幅も狭く、なかなかスリリングである。
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[SONY Cybershot W300/ 35mm F5.6]
 最初からこんな形だったのか、潮風に穿たれたのか。大根でもおろしたい風情である。ついでに塩味も付くだろう。それにしても、このSONYのW300、コンパクトの割りに後ボケがまぁまぁ良い。LUMIX LX3もPowershot S80も画質は良いが、いつもカバンに入れている、懐中カメラの座は依然として小さいこいつである。
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[SONY Cybershot W300/ 35mm F2.8]
 子供の頃から、街中のふとした幾何が気になってしまう人だった。マンホールの延長線とレッドコーンの延長戦上に立つと何やらシビれて、フランス語でも話せる様になる気がする。
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[SONY Cybershot W300/ 60mm F4.0]
 掃除したばっかりなのか、えらく綺麗に隣のマンションが映っていた。マンションの住民はこういう鏡みたいなのが住居の正面にあるのはどう思うんですかね。僕なら、毎日布団干しながら変なポーズとかして遊んでしまいますな。
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[SONY Cybershot W300/ 79mm F9.0]
 何やら不安をそそる階段。Stairways to Heavenという歌が有ったが、この階段の先には、空と水道タンクがあるのだろう。
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[SONY Cybershot W300/ 35mm F2.8]
 黒光りするボルボの獰猛そうな、かっちょいいトラックだった。イタリアンレッドの積荷とのコントラストを考えた訳ではあるまいが。日本の白っぽい無個性なトラック、何割かでも、こういうのに変わると、街の風景も変わるだろう。煤だらけの工業都市にはソ連のカマズが似合うし、米国中西部の荒涼とした砂漠にはピータービルトしか有り得ない。同じ様に、街を走るトラックは、カラフルであるべきだ。
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[SONY Cybershot W300/ 35mm F8.0]
 こういうアンダーめの逆光アングル、昔から好きである。冬の透明な空だから、一段と綺麗に撮れる。顔立ちからして、僕はきっと血は南から来たに違いなく、体質的にも冬は大嫌いなのだが、空気が澄んでいること一点をもって寒さを許せている。そういう意味では、今年多かった雨の冬なんてのは、何の価値も無い。どうせ寒いなら、クリアに澄み切るか、白い雪で全てを覆い尽くすか、どちらかであるべきである。