TK + R&B = Lady Gaga

 おかまフィギュアスケーターのジョン・ウィアーが何かの大会のエキジビションでLady GagaのPoker Faceを使っていて、「これ踊れる」と思って以来、よくLady Gagaを聴いている。特にドライブとの相性が良い。しっかし、ジョン・ウィアーって見るたびに、聖闘士星矢の「神よ、私は美しい」と妄言を呟いて素っ裸で海に入って死んだ伝説のヘンタイ、リザドのミスティを思い出させる。この辺りから聖闘士星矢が、もともとのターゲットだった週刊少年ジャンプ読者層からずれて、「六神合体ゴッドマーズ」「鎧伝サムライトルーパー」と並んでやおい層を熱狂させていった感がある。なので、Lady Gagaを聴くたびになんとなく、小坊には強烈だったミスティの絵柄が脳裏をよぎるのだが、この副作用を補って余り有るほどサウンドは気に入っている。中坊の時のガールフレンドがその道の人で、今はしっかり本職の漫画家の様なので、やおいとかボーイズラブの類には普通の人より早く接触したと思うけど、結局免疫は獲得できなかった。なので、なるべくならやおい臭プンプンのミスティは思い出したくない。
 話がずれたが、この前Lady gagaは何で気持ち良いのか、と考えていて、 Bad Romanceという曲の時にふと気付いたのが、「これって小室サウンドに似てる」ということである。もともとどっちもユーロビートっぽい曲が多いので、似ているのは当然なのだが、シンセの音の盛り上げ方が何となくキャロルからEXPOまでの全盛期の小室と似ている。関係ないが、プロゴルファーの丸山茂樹が、「ドライバーはどうしてもパーシモンのイメージが抜けなくて、近代の大型ヘッドを幾ら打っても慣れない」とこぼしていた。その結果、ついに昨年は300ccという、10年くらい前のドライバーを握って活躍するという、大きく軽い近代のドライバー売って稼ぎたいスポンサーのメーカーには、1円にもならないゴルファーに変貌してしまった。僕も、この丸ちゃんの苦しみはよく判る。打ち込みサウンドで盛り上げられると、僕の眼前には、どうしても青白いオッサンがヤマハのシンセの前でクネクネしているイメージが抜けないのである。こんな亡霊が見えてしまう程、小室ミュージックは体に染み渡っている。大体、僕はヤマハの本社のある浜松市の高校を出ていて、90年代の浜松と言えば、小室は神なのである。浜松の高校生が組むアマチュアバンドで、もっとも人気のあったポジションはギターとかボーカルでは無くて、シンセだった。目一杯不健康そうにして、黒い服を着て、SY-77とかPCM音源ハシリの時代のシンセの前でクネクネするのが一番人気だったのだ。ただ、どうもこれは演奏している側から見ると、余りプレイの快感が得られなかったらしく、Accessの登場と共に、「ショルダーキーボードもアリなんだ」という免罪符を得て、みな浅倉大介のコピーに転向し、ドラムスの横からボーカルの横に前進して行ったが。そんな訳で、僕にとって小室サウンドは故郷みたいなもんなので、それに類するサウンドが気持ちいいのは当然である。
 それで、90年代の中盤以降、小室サウンドが余りに粗製濫造されて、質が下がって個性を失った後、聴いていたのは同じく流行りもんながらR&Bだった。僕は色んな音楽を聴く方だが、「色んな音楽を聴く人」のカテゴリーの中では、マイナーなのからメジャーなのまで満遍なく聴く人、という金融で例えれば音楽ラダー運用型の人が一般的だと思うけど、僕はどっちかと言うと、ヒットチャートど真ん中と、くそマイナーなのと両極端に偏った音楽ダンベル運用型である。なのでジャニタレ以外の流行りもんは割と継続して聴いており、小室サウンドから(あゆを経て)、R&Bへという流れは自然である。邦楽ではMISIAUA、洋楽ではローリン・ヒルやDes'ree、アリシア・キーズとかをよく聴いた。一つの大きなジャンルの中で、色んな歌い手の曲を聴いたという観点では、R&Bが一番聴き込んだかもしれない。今はR&Bと言うと、ブラックミュージックに源流を持つポップミュージック全般を指す位広い概念だが、打ち込み系のサウンド+比較的しっかりとした歌唱というスタイルは体に馴染んでいる。その頃クラブはヒップホップ全盛だったが、踊る音楽と聴く音楽は何となく分かれていて、聴くのはR&Bだった。そんな聴き方をしていたら、Lady gagaの音楽は、ユーロビートっぽい所もありながら、勿論今の音楽界の主流派であるR&Bの要素が基本なので、そりゃ気分いいに決まっているのである。同世代の人々の中で、そもそもニッチな音楽しか聴きませんという人と、アンチ小室サウンドという観点で、渋谷系からめがねロックに行く道を辿った人以外は、結構似たような音楽経験をしている筈なので、もし聴いたこと無ければ是非どうぞ。特に、hitomiは、Love2000じゃなくて、小室時代のIn the futureの方が良いと思っている人には、まず間違いなく合うと思う。そういや、友達の友達の青学の奴とむかし付き合ってたな、hitomi。
○これがリザドのミスティ(♂)。オフィスで見てる人が多いであろう当ブログの傾向を配慮して、一部カット。