ボケキャラも楽じゃないよ。

たまたま、人気ブロガーのちきりんさんが、Twitterでブロックを多用していてすごい、という話が盛り上がっているのを見た。どうやら、ブロックされるのが一つの青春の勲章化している様だ。ほんまかいなと早速検索してみると・・・。

「ちきり」まで打って、「ちきりん ブロック」が表示されてびっくりした。確かに盛り上がって結構な人が確認した模様だ。「ちきりん」という固有名詞に対して、いま一番適合しているのが「ブロック」。山と言えば川。リーチと言えば裏ドラ。そしてちきりんと言えば、今やブロックなのである。その検索ワードで表示されるのはこんな結果だ。

一日に何十というツイートがヒットし、実際一日何アカウントをブロックしているのか、その手間に脱帽である。そして直接メンションされていない人までブロックされている様子が伺え、このアウトプット品質のあくなき追究こそが、マッキンゼー式仕事術かと感心した次第である。

マッキンゼー式 世界最強の仕事術 (ソフトバンク文庫)

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さて、「あけましておめでとうございます」と言えば「元旦も休めないブラック企業で働く人たちの気持ちを思いやってください!」などと狂犬に噛み付かれる楽しいツイッターランドであるが、ここまでやれば、ちきりんさんのメンション欄は清らかなツイートに満ちるのかもしれない。とはいえ、SNSの使い方は全くもって個人の自由ではあるが、一日あたり何アカウントもブロックせざるを得ない状況はきっと余り楽しくない様に想像する。少しでも楽しくする様にブロックを多用してるんだろうからね。こうなっている一つの理由は、ちきりんさん(とそのビジネスモデル)が、ツッコミキャラが飽和するネット界隈において、希少なボケキャラであるからだろう。正確に言えば「つっこみボケ」。世の中につっこんでいる様に見えて、実際は結構ボケになってて、ツイッターランドやブログ界に溢れるツッコミ役がつい刺激されてツッコんでブロックされるという構図。完璧に頭のいい人が、完璧に頭のいいツッコミをネットでしてもウケないのが世の中。ウケるにはどこかつっこみボケの要素が無いとダメ。それを人はコンテンツ力と呼ぶ。そういえば、芸人の世界で女性の「つっこみボケ」の名手と言えば心を壊したオセロ中島ですね。
余り楽しくなくても、ボケキャラがネタになることで認知が拡大して食えてる部分があるから続けざるを得ない。面倒を恐れて万人受けを考えだしたら元も子もない。そして、コンサルティングファームみたいなB to Bの商売と違って、B to Cの商売って大体において客を選べないネイチャーがあるので、別種のメンタルが必要。そして、別種のメンタルを装備する為に深山に籠って修行する手間はかけられないので、とりあえずブロック、という事なんだろうか。お面被り続けてるのも同じ理由かもね。嫌ならば見なきゃいい、あなたはあなたの人生をまず見て幸せになってと言い切ってすがすがしかった元フィギュアスケーターより、少しだけビジネスモデルが絡むので自由度は低そう。

そんな訳であけましておめでとうございます。今年こそ自分の人生を生きて、幸せになる所存です。