びっくり!

 日曜日、家事でもするかと思って、その一環で、溜まったクレジットカードの請求書をビリビリビリと破いて金額を確認した後捨てようかと思ったが、あまりの事にビリビリビリとシビれて立ち尽くしてしまった。請求額が91万円。9万1千円ならいつもの事だが、桁が一つ上がるのは尋常では無い。
 出張そんなにしたっけ、と思ったが、12月から1月にかけては東京に貼り付く必要が有って、仕事で箱根どころか山手通りも越えた事は無い。飲み食いシーズンだが、あんまり接待もした覚えは無い。という事は全部自分が使った事になる。すわスキミングかと焦って、費目を目をそれこそカルパッチョなら10人前位盛れそうな大皿の様にして眺めてみた。31万円というでかい費目がある。HDDカーナビとバックカメラ、ETCにシート洗浄のセットだ。これはクルマ買った一部みたいなもんだから致し方あるまい。
 後は、ずらずらと1月6日から伊勢丹だの有楽町阪急だの三越だのと並ぶ行列が目に付く。今年はバーゲンなんて混んでるから行きまへんわ、と新年明けた1/4あたりに会社の同僚と話していたので、すっかり買い物をしてない気分になっていたが、そういえば成人の日の三連休は暇で暇で、うっかり街に出たら浮かれて一杯買い物してしまったのだった。足し上げるとこれが30万円。明らかに浮かれ過ぎである。バーゲンおそるべし。店の名前見ても何買ったのか覚えているのは半分位である。この時期はストレスが溜まっていたので、買い物で解消していたのは否めないし、それですっかり解消してしまったのも事実だから、無駄なお金では無かったのだが、それでもシープレザーのスキニーなジャケット、シチュエーションを選ぶからまだ一回も着てないや・・。

  • むむむむむむむむむむ。ダイナースクラブに貢献しすぎである。

 という訳で、今後の買い物リストに並んでいた、クレールのデュアルタイムという機械式時計、ヨネックスのAIR CARBON TUBE SMOOTHというスノボ、ハーラン・エステートの2002年(パーカー100点!)は、すぱっと消え去った。というか、これ全部買ったら、91万円とええ勝負してしまう。知らない間に固定費というか、買い物の対象が無節操に切り上がって居た様だ。投資先にコストカットを迫っている毎日なのに、これではいかんのである。そもそも、クルマだの時計だのボードだのというオトコ萌えな買い物と、カバンだの服だのアクセだのというオンナ萌えな買い物を両方やってたら、そりゃ二人分位の出費になるのは当たり前なのである。
 更にその前の買い物をよーく思い出してみると、この秋冬はスーツを2着買ったが、両方とも6桁だった様な気がしてきた。余談だが、まだ社会人駆け出しのころ、何かのハリウッド映画を見ていたら、ワシントンから帰ってきた父親と子供がこんな会話をするシーンがあった。

子供:「ワシントンはどう?」
父親:"The world in thousand dollar suit."

 当時ビンボだった僕は、自分に果たして1,000ドルのスーツを着る時は訪れるのかと、自らの300ドルもしないスーツを省みて思ったものだった。それが、30代独身という身分になり、ちょっとお金の回りがよろしくなると、いつの間にかスーツが1,000ドルになっておる。人間というのは単純なものである。入った分だけ出て行くのである。しかし、これではお金は溜まらない。お金を溜めようと思ったら使う金額を減らすしかない。ただ、高価なスーツはそれだけ着心地は良い。男にとってスーツは戦闘服であり、戦国時代なら鎧そのものである。武士とは名聞の餓鬼、コケおどしとは言え鎧をけちる武士にロクなのはおらん。しょぼいスーツだと気合も入らぬ。頻度を減らすか、一回の金額を減らすか、悩ましい所である。
 とりあえず、ほったらかしてあった、税金の還付は真面目に取り組もうと思った週末だった。