エルメス クリッパークロノブルー

bohemian_style2005-04-23


2年くらい前からレザーベルトの時計を買い足そうと思っている。ラウンド型の時計は幾つか持っているので、今度はトノー型にする積りだ。一握りほどの候補は既にあって、これについても自分の思い入れが有るのだが、先ずは今持っている時計の事から書こうと思う。


今メインに使っているのは、エルメスのクリッパークロノブルーCL1−910である。5年ほど前に、学生時代から使っていたジバンシィの時計が壊れて、折角だから長く使えるものをということで、若干の親の援助を貰いつつ購入したものである。当時は、カルチェのパシャのピンクが大ブレークしていた時期で、老若男女皆がパシャをしていたのを思い出す。


私はどうも皆がしているものを身に付けるのが好きではなく、パシャのピンクもかわいかったが、ソリッドなデザインだがエルメスというブランドのポジション上、余り男性が付けない所を気に入って、クリッパークロノを買ったのである。重すぎず軽すぎず、手入れも難しくないので、気に入っている。


ただ、三十路に入った今、同じお金で時計を選ぶ時に、これを買うかと言われると、それは微妙である。今だったら、判り易いブランド品というよりは、シンプルに自分の気に入った機械式時計を買うと思うのだが、誰しもが、カバンはヴィトン、コートはバーバリー、みたいな時代を過ごして、そこから大人の洗練が生まれてくるものだと思う。


思うに、時計とクルマの好みには強い相関が有ると思う。機能性だけでなく、どれを買うかというチョイスに人の人生が問われるという、人を象徴する持ち物という性格が共通している。カルチェを買う人間はBMWを持っているケースが非常に多い。ロレックスホルダーのクルマは大抵メルツェデスだ。フランクミュラーを好む人間は、やはりアルファロメオを好む。もしその人がハイネットワースで有れば、それはフェラーリかも知れない。ブライトリングにはアウディシンメトリックな計算されたデザインがよく合う。


エルメスはどうだろうか。私はプジョーかな、と思う。エッジな感じでもステータシーな感じでもない、都市の気取らない日常の洗練、みたいなものをエルメスプジョーに共通して感じる。最もエルメスでもベルナール=ガイエがやってるシャツをオーダーする人と、時計のユーザーは大分プロファイルが違うだろうから、ブランド全般のイメージとプジョーは全く共通しないだろうね。