長躯帰省

もともとボードに行く予定が前々から入っていた週末だったが、メンバー全員の予定か体調が悪くなるという流れの悪い状況になり、ボードが有るのでごめんなさいと不参加表明したイベントの為に帰省した。イベントと言っても、中学の時の恩師を15年ぶりに囲む会という地味で私的なものだが。

そもそもこの話は場所は静岡市と聞いていたので、安心してハンドルを取ってドライブを始めたのだが、途中でメールを良く見ると浜松市では無いか。同じ静岡県でもだいぶ違う。イメージ距離5割増、疲労2倍増みたいな感じだ。流石に富士川SAまで来て引き返すというのも無いので、とりあえず行くことする。

当然遅刻である。途中で工事渋滞があった事も有り、余裕で90分も遅刻してみたが、なんと先生はお帰りになってしまったとのこと。ボードキャンセルの時点で流れ悪かったが、これは更に凄い流れの悪さだ。15年ぶりという事は次は15年後?そろそろ禿げている頃かも知れないぞと。

ただ、辛抱強く7人の同級生は待っていてくれていて、何となくドトールで3時間くらい話をしてみた。7人の内5人は15年ぶりの再会で、残り2人は高校も同窓で、こちらもこの前の正月にばったり会ったのが12年ぶりという状況である。また、7人の内6人が女性なのだが、既に4人が結婚して、子持ちも2人と、時の流れを感じた。みな綺麗になってた。15歳の卒業式の次が30歳という事だが、今の方が魅力的だと思った。そういう年齢の重ね方をしたいものだ。僕はまだひゃーひゃー楽しく20代のノリで暮らしているが、時は平等にふりつんでいく。

集まりがはけると0時前である。いかな地元とはいえ、この時間から実家に「たのもー」とドタ泊するのは気が引ける。また、そもそも静岡の積もりで、僕はそこから北上してどこかで寝て翌日はスノボという思惑が有ったので、ボードを持ってきていた。なので、やはり翌日は、機動力を活かして、この雪の降らぬ地から無理矢理予定通りスノボに行くというのが正解であろう。という訳で、眠くなるまで東海環状道経由で長野を目指して、眠くなった地点で寝るという事にした。機動力を活かしすぎな感は有る。日本でプライベートエクイティ投資なぞに悶々と時間を使わずに、電撃戦を編み出したドイツ軍辺りに活躍の場を求めた方がいい様だ。グデーリアンと共にアルデンヌの森を越えてみたい。現実には迂回すべきはマジノ線ではなく南アルプスなのだが。

しかしクルマを出した時点で眠い。一応こういう修行の様なドライブの時の宿泊は次の順位である。

  1. カプセルホテル
  2. サウナ、健康ランド
  3. 車中泊

もう若くないのと僕のオペルはフルフラットにならず、スポーツモデルでシートが体をホールドする形状になっており、これが極めて寝にくいので、車中泊は最後の手段だ。しかもシュラフを持ってきていない。これは、ホテルは泊まるという意思決定の問題なので、シュラフが必要になる状況は起こりえないという判断ゆえである。

PCを持ってきていたので、今後の道中のカプセルホテルや健康ランドを調べると、なんと僅か30km先の豊橋健康ランドがラストで、次は長野県の飯田である。しかも飯田の健康ランドへのコメントは散々だ。カプセルホテルは面白い事に東海地方には余り無い。

という訳でとりあえず豊橋に行ってみたが・・。

豊橋健康ランドは100人収容の所、140人入っていた・・。

あのー土曜の深夜2時に何で140人も健康ランドで泊まってるかなー豊橋人!駐車場のクルマは軒並み地元ナンバーだから僕の様な機動力溢れる旅人がどっさりという訳ではない。地元民である。

家で寝てよ。

この流れの最悪さに非常に疲労感を覚え、この疲労を回復させる為には車中泊は何としてでも避けたいと思い出した僕は、リーサルウェポンとしてラブホ一人宿泊という裏技を繰り出す事にした。これは本物の裏技である。安眠・熟睡を得る為に、自分の中のプライドとか常識とか色々高等なものを引き換えにしなければいけないという、鋼の錬金術師も真っ青な恐ろしい技だ。しかも、一人でカラオケとかしてみたりして・・大塚愛とか。殆ど恐怖映画の世界だ。

しかーし、

ラブホも軒並みいっぱい!恥をこらえて、ビロビロのビニールが垂れ下がる入り口にこれまた何年ぶりかにクルマを入れて、空きスペースを探すも、みないっぱい!4件ほど手当たり次第に回ってみたが、全滅である。日本の人口減少は、ここ豊橋から食い止められるのか??
しかし、151号沿いのホテル・オルティスタというのは凄いね。巨大な城。田舎ものが見たら、きっとエルミタージュ美術館と間違えるよ。個人的に、今設定したばかりの由緒ある賞、Best decorated love-hotel Award をあげよう。デコレーションの質自体は吹田のチャペル・クリスマスといい勝負だけど、規模が全然違う。

↓↓見てください。↓↓
ホテル・オルティスタ
※会社でも見られる内容です。

豊橋の151号から1号線に掛けてはラブホの金城湯地であり、まだ周りに未開拓のラブホは存在したが、この辺りのラブホが全て一杯なので、あぶれたカップルが健康ランドに行って、オープンスペースである仮眠室に悶々と収容されているのだろうという仮説を立てた僕は、無駄な努力はやめて立ち去る事にした。見渡せば、この辺りには凡そ10程度のラブホが点在している。かつて、閉鎖経済圏である小都市を丹念に巡った結論として、人口15,000人につき1ラブホというノーベル賞ものの法則を見出した僕としては、つい、この辺りの商圏人口(?)が15万人という計算をしてしまった。豊橋の人口規模から換算すると、ここ以外にもう1つか2つのラブホ地帯がある筈だ。

豊橋コロナ

そんなどうでもいい事を考えつつ、ラブホ地帯からトボトボと敗走する途上、ギラギラさ加減にラブホかと思った建物が有ったが、それはラブホでは無く、パチンコとシネコンのコンプレックスであった。この建物のセンスも凄い。建物にはなんとなくアラブとかインドの様な曲線を描いて電飾がついていて、上部には噴水だの花火だのが上がるという、なんとも調和しないケバケバしさだ。ここまでしなくても、回りは田んぼだから、どこからでも見えると思うが・・。
思わず写真を撮ってみた。写真で、パチンコの「PA」がなぜか見えないのはご愛嬌である。角度の関係と思うが、もしかしたら本当に無いのかもしれない。それでもいいかと思わせてしまう迫力がある。しかし、このケバケバ大御殿の名前はコロナ。クルマ?ガス器具?ともかく、なりと比べて少々地味である。僕的には、この構えなら名前は、ゲバラ位は大上段に言ってほしい所だ。ローカルP店デザインの革命児を自負してます、みたいな。
この時、映画館が空いていれば横になれるかもとクリエイティブなアイディアを思いついたが、名古屋の今池のエロ映画館で夜を明かそうとした友達がホモに襲われた話を思い出して、やめた。幾ら疲れていても、ホモに襲われるのはなるべく避けた方がいいだろう。結局、赤塚PAにて車中泊

結局、シュラフを持ってこないという意思決定は、ホテルに泊まれないというリスクを見てなかった時点で甘かった。かと言って、凍死する訳にも行かないので、キャンパー・トレッカーとして、地球環境を考えて絶対にこれまでやらなかった、「エンジン掛けっぱなしで車中泊」をやってしまった。少々の罪悪感と共にまどろむ。

どっと疲れた・・。流れの悪さを極めた一日であった。

名古屋のホテルにダメ出ししてみたり、徐々に愛知県をけなすブログと化しつつあるが、これは偶然。きっと。次はいいところ見つける事と致したい。