904SH

bohemian_style2006-02-28


ついに噂のVodafone 904SHが発表されたようだ。デザイン的にはドムである。色的にはパープルがよろしい。

ボーダフォン、VGA液晶搭載「904SH」発表

Vodafoneから出るSHARPのトップエンドの機種は所謂「全部入り」である。加えて、この904SHは新機軸が詰まっている。携帯初のVGA液晶。GPS。6軸モーションコントロールセンサー。
色々有るが、ファンクション、スペックの個々はこの際どうでもいい。プロダクト・サービス開発本部長が発表の席で言っていた、再びイノベイティブなキャリアを目指すという趣旨が泣かせる。

ここんとこのVodafoneは写メールの頃の勢いは消えて、三菱車みたいな手の縮こまったデザインで、しょぼいスペックの端末しか出てなかったので、海外対応以外に魅力は殆ど無く、最もイノベイティブなキャリアの称号は明らかにauに譲っていたのだが、この機種を見ると、イノベイティブなVodafone復活と言えるかも知れない。
もともとVodafoneは、J-PHONEを買収した後、何をしようとしてたかと言うと、世界に於ける高いシェアによる強みを活かした戦略で日本でもシェアを取ろうとしていた。それは主に、

  1. ビジネスユースや海外旅行に良く行く富裕層をターゲットとしたW-CDMA+GMS3バンドという海外でも使える携帯の導入
  2. 増大する端末のソフトウェア開発コストを抑える為と、キャリア内部でのスイッチの容易さによる顧客囲い込みを目的とした、グローバルなインターフェースの統一
  3. SamsungNOKIAといった海外市場で強い端末メーカーのユニークな端末の導入

の3つの施策に収斂されていたと思う。それが徐々に否定されて、ex-ドコモの津田さんが入ったり、今回独自インターフェースで、個々のファンクションも強化という方向になったりというのが、ここ数年の大まかな流れだ。
何がダメだったかというと、①は間違いではないが、マスとしてこういった海外利用を魅力的に思う層が大きくなく、喚起された需要は小さかったこと、②は明らかにUIの仕様が日本人にマッチしていなかったことと、価格選好が強い層が限定的だったこと、③も間違いではないが、702NKとか804SSとかそもそも導入された端末が割りとニッチで、N71とかのマスに受けそうな端末が導入されないという、そもそものインプリの間違い、といったところか。
これを見ると、日本というのは巨大なローカル市場で、日本人は携帯を単なる機械というよりは、ファッションの一部として相当の拘りを持っている、というのを読み間違えたというのが、根本の間違いの様な気がする。レクサスは、品質の割りに安くて壊れにくく、こういうクルマを買うことをインテリジェントなチョイスだと言って貰えるアメリカでは受けたが、クルマがよりファッションに近く、ユニークネスやステータスが重要な欧州や日本では幾らクオリティ・プライスレシオが高くても、苦戦しているのと同様の事が起きたという事だ。

さて、僕は東海デジタルホンの時代から10年同じ番号をしつこく使い続けている粘着系ボーダユーザーで、今は902SHを使っているが、903SHとの最大の違いはカメラだと思っている。902SHは、周辺部の画像が流れるし、ノイズも多く、かつフォーカスが遅いのでよくブレる。一方で、903SHの画像は極めてシャープで、周辺部も甘くなく、フォーカス時間は半分くらいまで短縮されている。たぶん現存の携帯でベストカメラだと思う。このブログは、載せている写真のかなりの割合を902SHで撮っているが、903SHの画質を知って愕然としたものである。そういった意味で、903SHの正当なる後継である904SHの画質には期待したい。スペック上は、904SHと903SHのカメラに差は無い模様だが、デジカメの命はASICなので、こちらがリファインされている事に期待。

あと、同時にこっそり発表されていた、Windows Mobile対応端末を今年発売という話も気になる。

ボーダフォンは、Windows Mobileを搭載したPDA型端末を2006年度内に複数機種投入する。2月28日に行った「904SH」の発表会で明かした。

 マイクロソフトWindows Mobileは、Symbian OSLinuxと並びハイエンド携帯電話向けのOSとして採用例が増えつつある。

ボーダフォン、Windows Mobile搭載PDAを年度内投入

スマートフォンらしいスマートフォンは、日本には殆ど無いので、これまで極めて不服だった。今の902SHも一応outlookとsyncさせているが、極めて不完全である。pstファイルを入れ替えたら動作しなくなる等、完動とはほど遠い。Windows Mobileで有れば、Active Syncが使えるから、随分とこの辺の使い勝手は良くなる筈だ。

複数台出すとの事だが、たぶん、W-ZERO3が大成功したので、一台はW-ZERO3の様に、QWERTYキーボードがついている端末だろう。しかし、僕はQWERTYキーボードを備えるSig3をPDAとして現役で使っているのと、これ以上でかい端末だと気軽に持ち運べないので、それは買わない感じがする。また、端末にCFスロットが付いていて、そこにAIR-Hを挿して定額料金で使えるならともかく、Vodafoneのネットワークでフルブラウザブラウジングしたら、たぶんパケホーダイ対象では無いだろうから、パケット料金で死んでしまうだろう。
ただ、逆にSig3を持っていない時にスケジュールが見れる、通常の携帯サイズのスマートフォンが出てくれば、かなりクラクラくるだろう。Sig3は、ウェブブラウジングをする可能性がある時や、長文のメールを書いたり、EXCELとかPowerpointで作業をしなくてはいけない時に使って、通常は携帯でスケジューリング。こういう感じが理想かな。

  • 後日談

実際購入したが、なかなか使える奴である。
カメラの作例はこの辺り。

6/16 須磨須磨。
4/25 高岡山 瑞龍寺