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 半期の業績評価のシーズンである。前は銀行員をしていたが、銀行員は末端であってもイッパシの営業マンであり、半期毎に業務純益幾ら稼いだかという「パフォーマンス」一発で評価を測定可能だった。しかし、プロフェッショナルファームの場合は、目に見える利益が見えない事も多い。例えば、ファンドの場合は目に見える成果はEXITして持分を売却しないと具現化しないので、その期のパフォーマンスが実額幾らの儲けだったか測定するのは難しいのである。よって、多くのプロフェッショナルファームでは、アソアナレベルだと、どちらかというと「スキル」の向上が人物評定の主眼になる。転職して、最初はこの概念が大変新しく感じた。
 ちなみに、昇進したらしい。嬉しいのは、タイトルが変わって、名刺でナメられなくなり、仕事の幅が広がる事だ。また、上司からいい機会だから中期的にMBAも考えてみたらどうかという話が出た。よくよく考えると、僕のスペックはアメリカにおける非WASPみたいなもんで、①非MBA ②非プロフェッショナルファーム出身(キャリアに外資投資銀行コンサルタントも士業もない) ③非東大 という、プロフェッショナルファーム界における三重苦を持つマイノリティである。まぁ半分冗談なので、三つのどの要素も大した話では無いのだが、個人的な拘りとして、ここまで来たらマイノリティを無理に脱出せずに自分の実力を試したいという実にひねくれた気分は有る。
 ただ、これまではMBAの必要性を殆ど感じなかったけれど、確かに今は、1-2年総括として学問の世界に戻るのに、糧となる知恵と経験の蓄積の総量から考えて、悪くないタイミングかも知れない。こいつばかりは、今もぐんぐん成長している事を実感している30歳前後という貴重な時間をどう使うかという、人生の資源配分の問題で、仕事より解くのに苦労しそうである。