M&A

Instagramが正しい顧客に売れちゃった。

M&A

今日、facebookがInstagramを買収することで同社と合意したニュースが流れた。買収金額はおよそ10億ドルで、現金とFacebook株の組み合わせで支払うとのことである。Instagramはご存じの通り、簡単にアートっぽい写真に加工できる事が売りのSNSで、高価な一眼…

すかいらーくの再生

野村プリンシパル・ファイナンスがすかいらーくをEXITして、米系のベイン・キャピタルが新スポンサーとなるディールが2600億で成立しそうだというニュースが流れた。2006年に野村PFがすかいらーくを買収したディール時にブログエントリを書いて、その後、ニ…

プリンスホテルと時間の審判

ドタバタしてたら年末になっていた。同じ様に人生末にならない様に気をつけたいもんである。年末は色々とパーティも多いのだけれど、この前赤坂プリンスに行った。3末でクローズして跡地利用は未定の赤プリである。僕らの世代だと余りプリンスに凄く思い入れ…

武富士会社更生法考

武富士が会社更生法との報道が出ていた。消費者金融の中堅以上では、アエルもクレディアも民事再生法だったが、なぜ会社更生法かと考えてみると、中の人の苦労が偲ばれる。正しい意思決定への正しい第一歩なのだろう。月曜の株価は勿論ストップ安ということ…

銀行再々編

久しぶりに銀行の再編が相次いでいる。新生とあおぞらに続いて、住友信託に中央三井が統合を発表した。 銀行というのは基本的に規模の利益が大変良く効く業態なので、こういう似た様な銀行が統合するのは経営的なメリットが判りやすい。例えば、日本の銀行は…

今にしてリーマンを悼む

早いものでリーマン・ブラザーズ証券が破綻して、半年が過ぎた。かなりの田舎でも、当時は宿の女将がリーマンリーマン言う位、もの凄い知名度になってた覚えがある。 さてそのリーマン・ブラザーズだが、野村が引き受けたものの、東京オフィスについて、統合が…

Panasonicによる三洋電機買収

パナソニックが、三洋電機を買収する方針を正式に発表し、今後三洋のデューディリジェンスに入る様だ。ただ、GSやSMBCなどの大株主との間の株式買取協議はこれからの様である。 バイアウトの常識からすると、奇妙なプロセスである。株主が分散した普通の上場…

陸マイラーとネットサーベイ

過去の2エントリにある通り、妙なクレジットカード調査熱が一瞬燃え上がって、この瞬間だけヲタク化したが、もう飽きた。ただ、その過程で陸サーファーならぬ陸マイラーなる存在を知った。飛行機に乗ってマイルを貯めるのではなく、カードとか物販サイトのポ…

レイオフ相次ぐ

ここんとこ投資銀行でレイオフの話が相次いでいる。とある所ではIBDのエグゼキューションチームの中でVP以上が3人しか残らなかったとか、また別の所では、クレジットのプロップデスクがチームごと消えたとか、暗くなる話ばかりである。バイアウトファンドは…

アジアのバイアウト

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3ヶ月ほど前、Asian Private Equity & Venture Forum Japan、通称AVCJというカンファレンスが有った。これは、プライベート・エクイティのカテゴリーを構成する、バイアウトとベンチャー投資について、ファンドとファンドへの出資者達を集めた年次のカンファ…

株券と等価とは

結構画期的と言うべきか、多分そうだろうなと思われていたことが正式に認められたに過ぎないのか、何はともあれ、ブルドックソースの特定株主にある種差別的な買収防衛策に対する、スティールパートナーズの差止請求は地裁却下になった模様である。 スティー…

アジアのマネーセンターは香港である

これは、先週書いた話の続きである。○6/15 リスクマネー 東京市場の地盤沈下が叫ばれて久しい。しかし、それでも東京証券取引所の時価総額は、NYSEには遠く及ばないものの、ロンドンやNASDAQとはいい勝負であり、東京外為市場も何とか3位の座を確保している…

リスクマネー

忙しい忙しいと前のエントリに書いたら、仕事繋がりの方から友人、或いは一族郎党まで心配されてしまった。一体何が忙しいのかとよく聞かれて、それを正確に説明しようとすると、そもそもバイアウトとはから話を始めねばならず、仕方が無いので、「要は」と…

東証記者会見

今日の日経の4面に日興上場廃止に関する東証の西室社長の記者会見が一問一答で載っていたが、これが極めて面白い。是非ご一読をお勧めしたい。30%くらいの質問は記者と東証でなんとか互角、他は東証の貫録勝ちという回答で、一つも東証側が答えに詰まる様な…

上場維持とアンチ外資政策

全くもって驚いた。さすがに僕は背後の規制当局による「シティTOB潰し」の意図を感じざるを得ない。これについては後述する。 日興コーディアル株の上場維持、東証が発表 不正会計問題のあった日興コーディアルグループ株について、東京証券取引所は12日夕…

三洋の危機と希薄化の織り込みについて考える。

三洋電機が相当危機に追い込まれている。過去の粉飾について、泣く子も黙る証券取引等監視委員会が調査をしている様だ。要は05年3月期、06年3月期に出した巨額の特損は、本来04年3月期に出すべきだった減損損失を先送りしたものが含まれていたということで、…

REITを買収してしまおう。

2月12日付の日経公社債情報に米系の投資ファンドが一部のREITの株を大量保有している件が掲載されていた。この米系投資ファンドが保有しているREITの中には、PBRが1倍を割っている銘柄もある。この所の不動産価格の上昇を考えれば、修正NAV(Net Asset Value)…

投資立国

僕は所謂外資系ファンドで働いている訳では無いが、僕が働いている日本国における投資の分野で右翼から左翼まで、共通して喧伝して、何だかなーと思うのが、外資ファンドへの課税強化である。古くは新生銀行の上場益を課税できないという話から、最近では外…

業績予測できるかな?

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この会社を買いませんか、という案件紹介の時に、必ず付属するのが業績予測である。この確からしさはデューディリジェンスで勿論検証され、下方修正するべきはしていくのだが、M&A業界の慣習的に、売上の伸びは提示されたものよりも大分現実的になるが、呈示…

メルシャン売れちゃった。

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いつか出る出るとM&Aマーケットでは言われている「出る出る銘柄」の一つ、メルシャンの嫁ぎ先が麒麟麦酒に決まった様だ。メルシャンは、業績が下降傾向なのは気になるものの、昨年ぐらいまでは株価が実に割安なのと、大株主味の素と全くシナジーの無い業態と…

バイアウトファンドで求められる能力(3)

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さて、前回までバイアウトファンドで求められるスキルセットについて述べた。○前稿 11/11 バイアウトファンドで求められる能力(2) ○前稿 11/9 バイアウトファンドで求められる能力(1) 結論めいた所では、「洞察力」「プロジェクトマネージメント」「交渉」の…

バイアウトファンドで求められる能力(2)

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○前稿 11/9 バイアウトファンドで求められる能力(1) 前回に続いて、バイアウトファンドで必要なスキルセットについてである。前回は、バイアウトファンドは実はジェネラリストが必要とされる仕事ではないかという所まで述べた。事実として、バイアウトファン…

バイアウトファンドで求められる能力(1)

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以前いずれ書くと宣言して、その後なおざりになっている「ファンドメンバーに求められるスキルセットとは」という命題について、最近複数のリクエストを頂いた。ブロガーにとってはとてもエキサイトする出来事である。リクエストの一部はメールで質問の形で…

アメリカの経営者の意識

この所あれやこれやで殺人的に忙しい。めざにゅーどころか、めざましテレビをやってる頃に家に帰り、はなまるマーケットが終わる頃には起きて仕事するという日々が続いた。それでも体が持つのが、人体の不思議なのだが。 前置きはさておき、アメリカでフリー…

王子製紙、Hostile Takeover Bid実施へ

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このネタは、敵対的TOB(TOBは多分和製英語だと思われる)をせざるを得ないタイミングを待って、「そろそろ強行するぜー」と書いて、「おー当たった当たった」と自画自賛しようと思っていたのだが、今日の報道を見ると、この自己満足的な目論見は脆くも崩れ去…

ファンドのバリューとは

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昨日のblogで、バイアウト投資の世界も、単純にコストをカットしたりとか、利益志向に会社をドライブしたりするだけで経営改善が図られる案件が、今後日本企業の生産性の持続的な向上と共に減っていくだろうと書いた。 06/07/18 ルノー・日産とGM そうなった…

ルノー・日産とGM

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ワールドカップでわーわー騒いだ後に、気が付いたら世はすっかり夏枯れの季節に入ったらしく、僕もビジネス関係では書くネタが無い。困ったもんである。本blogは、左のカテゴリーの順番が示す通り、もともと食いもんとかホテルとか、旅行記とか、旅ネタを書…

アルセロール、遂にミタル買収攻勢の前に陥落

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ついにこの日が来た。鉄鋼業世界2位のアルセロールが、同1位のミタル・スチールの買収提案を遂に受諾し、合併に合意したのである。 こう書いても何が何だか、という人も多いと思うので、下記に丁々発止を行っていた両社の概要と、さらり一連の動きの整理を載…

すかいらーく非上場化

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すかいらーくのTOBが始まった。ワールドを上回る国内最大のMBOディリスト案件である。先ほどブラジル戦を待ちながら、数分ぴっぴとプレスリリース等を見てみたら、結構公開情報で判ることが多く、なかなか興味深かった。 要は、こういう話である。 すかいら…

プロフェッショナルの中のリーダーシップ

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昨日サッカー日本代表におけるリーダーシップの話を書いた。要は最後までファイトし、チームに対して貢献できる奴が自然にリーダーになるという事である。バイアウトの仕事も、直接日の丸を背負って戦う様な事は無いものの、自分の背中に何百人の人生、何百…