ブラックカード

 社会人の振り出しは銀行員で、銀行員というのは入ると同時に半強制的に自行のクレジットカードに入らされるものである。僕が入った銀行はダイナースクラブを扱っていたので、22歳の若造がいきなり使用金額に(見た目)上限の無いゴールドカード扱いのダイナースカードが持てることになり、買い物の時に色々と上限を気にしなくて良いのと、海外旅行保険が異常に充実していたのとで、僕はそれをずっと使ってきた。Discretionaryな消費は殆どこのカードを通って決済しているし、携帯電話とかネットとかの日常の費用、あとは接待とか出張費とかのビジネスの立て替え費用も殆どこのカードを通っているので、毎月結構な決済金額にはなっていると思う。

 それで、会員紹介の案内を送れとか何とかでダイナースクラブに電話した時に、世にはブラックカードってのが有って、西原理恵子高須クリニックの院長がAMEXのブラックを持ってて見せて貰ったとか漫画に書いてた事を思い出し、ついでにブラックカードって興味有るんですけど、とオペレータの男の子に聞いてみた。

ダ:「通常はこちらが条件に合致している方を選定して、インビテーションを送るという形ですが、この場で条件に合致しているかを調べることも出来ます」
僕:「ほなやってみてくれますかのー」
ダ:「かしこまりました。ただ、毎月のご使用金額とかで結構なバーがございまして、ご期待に添えないかも知れません」
僕:「そこそこ使ってると思いますぜ、旦那」
ダ:「(どうせ、大した金額じゃないんだろ)では、お調べしますね・・カタカタ・・はっ(息を呑む声)、こ、これなら是非ご招待させて頂きたくっ」

 どうやら、息を呑まれる程、使っていた様でございました。その後ネットで調べてみると、ブラックカードが送られてくる為の年間使用金額の下限について、幾つか推測が出ていた。んーまぁ仕事の立て替えはロットがでかいので、推測金額には幅があったけど、これがあると軽く超えますなぁ。そういう訳で、ブラックカードをゲット。


[Sony Cybershot W300/35mm F2.8]

  • じゃーん。確かに黒い。・・・写真的にはコンデジでも広角・近接・開放だと周辺光量落ちするという見本であります。

 使えそうな付帯サービスは、航空券をカード通して予約すると、無料で同じものがもう1枚付いてくるというよく判らないが嬉しい特典と、提携ホテルで、これを呈示するとお部屋がアップグレードされる確率が高いということ、及びブラックはポイント2倍なので例えば年間500万円使うと、メジャーな3つのエアライン・アライアンスのどこでも10万マイルにトランスファー出来て、世界中どこでもビジネスクラスで旅行できそうなこと、位だろうか。あとは、カード使う時にチラチラ見せて味わう、器の小さな満足感ですな。この小さい満足とT&Eの特典に年間費が見合うかどうかだが、見合ってる人が僕も含めて多いから成り立っているビジネスなのであろう。