春眠
南北線に乗っていたら、こんな人が居た。
うっかり眠りに落ちたというより、
「電車で寝るぞ!」
という鋭い気合を感じる寝っぷりである。
のび太は、寝ようと思えば3秒で寝れるという世界記録を持っているが、これも寝るという行為に対する気合という観点で世界記録モノである。睡眠というシンプルな行為にも気合が必要だという事をのんべんだらりと生きている一般人民に知らしめした功績を称えて、誰かが紫綬褒章でもあげかねない勢いだ。
更にポイントが高いのは、新しい靴が綺麗に揃っていることである。これは彼が人品卑しからぬ事を示している。ここまでアロガントにスペースをとりながらも、座席を汚さない様に靴を脱ぐ。この余裕が素晴らしい。街を闊歩するヤンキーが思わずゴミは分別する、みたいな格好良さを感じる。
電車で寝る人。それを写真に撮る人。
春である。