建物好きだった。

V570を買ってからというもの、ひたすら持ち歩いて気分が向いたらパシャパシャと撮っている。デジカメは3台目だがこんな使い方は初めてである。新しいデジカメの使い方を発見したという感じだ。やはりポケットに入るほど軽くて小さくて、しかも広角というのは偉い。

それでまた日常生活の中で、これは美しいと思って撮るのは、決まって建物、それも巨大建造物が多い事に気が付いた。僕は昔から再開発マニアで、未だに六本木ヒルズは「六6」、東京ミッドタウンは「防衛庁跡地」、パシフィックセンチュリープレイスは「八重洲南口再開発」等と再開発中のプロジェクトコードで呼ぶ癖が抜けない。てっきり、無から巨大で、かつ三次元的な街が出来るそのプロセスが好きなのかと思っていたが、単なる建築マニアだったのかもしれない。海外旅行に行っても、都市部だとビルのデザインのお国柄についてよく語っていた様な気もする。

以下は、週末から火曜日にかけて撮ったものである。

Shinagawa's growth
[KODAK V570 23-117mm F2.8-4.4]
日曜に花粉症皮膚炎が再発して、ウェブサイトで調べた日曜診療をやっている皮膚科に行く為に大井町まで自転車で行く途中の風景である。時間は夕暮れ時。V570はカメラまかせだと青かぶりするので、レタッチしてある。前にも書いたが品川は本当に手触り感の無い人工的な不思議な街だ。品川ってどういう街、と聞かれると、割と誰もが答えに窮するのでは無いだろうか。

しかし、品川駅港南口は、これだけびっしりと壁の様にビルを再開発したのに、揃いも揃って没個性なのはいただけない。「没個性の壁」と名づけよう。

Japanese old alley in Oimachi
[KODAK V570 23-117mm F2.8-4.4]
大井町の横町。画像保存元のflickrでは、必死で英語で横町の説明をしたが、なかなか横町の中でも味のある横町である。僕の中では大阪は十三と並んでポイントが高い。十三の横町のアドバンテージは、請来軒という油断ならぬ焼肉屋である。メニューに無い通称「上肉」がやばい位うまい。数年前からザガットに載って、知名度が上がってしまったが、味は落ちていない。ちなみに、ザガットの「客のポストや学歴に弱いおやじがやっている焼肉屋」というのは極めて正確な表現。
全然大井町の話では無くなってしまったが、21世紀もサバイブして欲しい風景である。

Omotesando Hills
[KODAK V570 23-117mm F2.8-4.4]
表参道ヒルズである。低いのがいい。

この暗さでも何故か手持ちで撮れてしまうのが、V570の不思議である。

Omotesando Hills
[KODAK V570 23-117mm F2.8-4.4]
同じく表参道ヒルズのロゴ。ここ数年の再開発では最もキレているロゴでは無かろうか。天下一武道会をふと思い出す。

Roppongi Hills
[KODAK V570 23-117mm F2.8-4.4]
一方六本木ヒルズである。ボリューミィな曲線と面で構成される建築は個性的で、僕は好きである。ここからの角度は、一眼レフで夕暮れ時にもう一回撮りたい。やっと六本木ヒルズも喧騒が終って、徐々に熟成期に入りつつある。これからもっと良くなるだろう。

これらは全て自転車での移動中に撮ったものである。ここ1-2カ月の間に購入した、プジョーの自転車、フォールディング18とV570の組み合わせは、僕の休日の過ごし方を少しずつ変えている。フォールディング18はトルクが有るので、六本木ヒルズの写真を撮った環状3号線の様な坂も、膝にたまる乳酸さえ我慢できれば割とスルスルと登坂できる。V570は、持っていて邪魔にならず、かつ風景を独特な画角で切り取ってくれるカメラだ。

ライフスタイルを変えるガジェット2つ。いい買い物だったと思う。