高岡山 瑞龍寺

主に銀行のアテンドで工場に同行するという、なかなか気を遣う出張を終えると、工場側の心遣いで、余った時間に高岡の名跡瑞龍寺を案内してもらった。関東では余り知られていないが、国宝の僧堂を持つ禅寺というのは、京の東福寺、宇治の万福寺とこの瑞龍寺という名刹である。ここは前田利長の菩提としても知られている。

という訳で、寝台特急で旅人モードになったのに加えて、今日は今日で思いっきり観光である。来て貰った銀行の人々も喜んでいる模様だったので、接待という事で良しとしよう。

今日の高岡は午前中は霰が降るという不安定な気候だったが、午後からピーカンに晴れてきた。V570も持っていたが、晴天下での904SHがどんなものかと思って、904SHでこの国宝を撮ってみた次第である。

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[SHARP 904SH 70mm F4.0]
瑞龍寺、山門の屋根と空。コントラストが強いとさすがに潰れてしまうので、レタッチでトーンカーブの左下を持ち上げた。だいぶ持ち上げたが、陰影は付いて来ている。

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[SHARP 904SH 35mm F2.8]
静謐という言葉が似合う。

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[SHARP 904SH 35mm F2.8]
山門の模様。この金具はかなり分厚く、江戸時代から門を支え続けている。戸板は独特の文様だ。広角側は樽型ディストーションが目立つので、普段は気にしないが、こういう直線を綺麗に出したい被写体の場合は、ソフト的に軽く補正する必要がある。

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[SHARP 904SH 35mm F2.8]
中庭全景。本当に人が居ない。素晴らしいことである。都会では有り得ないワンシーンだ。

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[SHARP 904SH 35mm F2.8]
美しく、かつユニークな模様の太鼓。緑色は珍しい。薄くて品が有る色だ。太鼓一つとっても、そこには400年の洗練が有る。

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[SHARP 904SH 35mm F2.8]
ご本尊を支える台座の部分である。凝った作りだ。前田家の権勢が、この造り一つで良く判る。

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[SHARP 904SH 35mm F2.8]
柱一つすら強い自己主張がある。この柱は檜で、かつその固い芯だけ使ったものだ。良いものは時を軽々と超える。

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[SHARP 904SH 35mm F2.8]
板戸越しに晴れた中庭を望む。均整の取れたデザインだ。うっすらと伽藍が浮かび上がる。これは偶然でなく、設計者は全て計算しつくして造ったのだろう。

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[SHARP 904SH 70mm F4.0]
山門を守る仁王。桃山文化の豪快さが残る生き生きとした像だ。

平日の昼という事で、居る人数が少なかく、満喫できた。北陸は何度も来ているが、実は余り寺社仏閣を巡っていない。金沢の忍者寺位である。47都道府県は全て行った等と豪語していたが、まだまだ日本には行くべき所が沢山有る。

さて、素晴らしい被写体だったが、904SHのカメラも、負けじと晴天下でも本職のデジカメと見まごうばかりの描写を見せる。ポケットにいつも入れとくにはとても良いガジェットだと改めて思った。