出処進退

bohemian_style2006-06-05


我らが村上さんは、簡単にゲロっちまった様だ。
要は違法性の認識は無かったけれども、形式的にインサイダー取引に合致したのは事実なので、白旗です、という事らしい。メディア上にはまだ二説有って、インサイダー取引に合致した村上さんと堀江さんの会話が、うっかり買い集めの意向を村上さんが聞いてしまったレベルの話なのか、それとも綿密に両者が打ち合わせていたのか、それははっきりしていない。後者であって、それでも違法性の認識が無ければ、萎える話ではある。
自白して認めた背景には、ライブドア側の聴取が進んでいて、傍証が得られていた事と、彼自身が取引的に自身を人身御供に出して村上ファンド本体の延命を図ろうとした事の二点が有っただろう。これはこれで合理的な判断の様に思えるが、堀江さんは幹部が自白する中、3ヶ月否認し通している。両者は21世紀初頭を代表するアントレプレナーだと思うが、金融界の人はやっぱり合理的・冷徹・恬淡としている一方、産業界の人は情熱的で、思いの一念が強いのかも知れない。
僕が仮に両者の立場になったら、やはり判断は合理性に基づくべきだと考えて、村上さんの様に行動するだろうと自覚するが故に、堀江さんの様な最後までファイトする人物にはなかなか惹かれるものがある。村上さんも堀江さんに最後エールを送っていたが、同じ気持ちだ。
僕は一貫して、この2つの事件については、日本のアントレプレナーシップが育つ阻害要因にならないといいなと思っているので、村上さんはもう投資はgive-upの様だが、堀江さんには是非第2の起業をして復活をして欲しい。日本も実はセカンドチャンスが有る国だったと日本人が理解して、より起業に挑む様になるには、彼の様な一敗地にまみれて、underdogになった人間が復活するのが一番の薬の様に思う。
経営者として、対照的な行動を極限状態において選択した両者を見て、普段は考えないことを考えた次第である。