伊勢崎花火と東横イン

夏だっちゅーのに花火の一つも見とらんのである。
でも、東京の花火は混み混みで嫌いである。僕の地元の花火大会は、2万5千発とか3万発の花火を打ち上げるが、地元の市の人口は東京ドームを埋められない位しかない。下手すると人口1人につき四捨五入すれば1発が行き渡る世界である。一方、東京湾花火大会(正確には東京湾大華火祭)は、1万2千発しか上がらないのに、東京の人口は東京ドーム何杯で数えられる数ではない。隅田川だって、2万発がせいぜいである。大阪にはPLの花火という12万発を上げるズバ抜けた日本一の花火大会があるが、それでも800万大阪府民に1人1発という程でも無い。
田舎出身の僕にとってみると、花火ゆうのは、ドンドンと上がりだしてから家を出て、それでも真下で寝転がって、横隔膜を打ち叩く尺玉の音と共に見物する事が出来るのが正しい姿である。
それからすると、どんなに穴場を探しても人の頭越しにしか見れない東京湾や、一山越えた辺りまでしか近付けないPLの花火はいかんのである。やはり、人口5万の市に3万発が上がる様な、一票の重みが極めて高い地域を探さねばならん。
という訳で、関東一円の花火大会一覧を見つつ、人口対打上数のイイ所を探してみて、伊勢崎の花火とやらに行ってきた。3万5千発が上がって、伊勢崎市の人口は21万人、6人に1発である。1人1発では無いが、東京よりはましであろう。
結論的には、読み通りで、打上会場近くまでクルマで近付けた上に、花火が上がりだした頃に到着したのに、いい所で見れた。利根川の中洲あたりから打ち上げるのだが、その打上場所に正対する堤防で座ってである。さすがに利根川はでかいので、真下という訳には行かないが、横隔膜には重低音が十分響く。隅田川でこれをやろうと思うと、昼から場所取りになる。隅田川でスターマインの下の方が見れたためしが無いのだが、花火の下の方どころか、ここは打ち上げる筒が見える位である。都心から90分で、これは素晴らしい。
十分満足して、帰ろうと思ったのだが、折角群馬くんだりまで出てきたので、泊まって、翌日もドライブして帰ることにした。突発的に決めたので、ホテルはこだわりの温泉旅館とかではなく、人生初東横インを前橋にて行った。色気はないが仕方なし。

[SHARP 904SH/35mm F2.8]
最近のビジネスホテルはレベルが高い。特段、非の打ち所の無い部屋だ。地方都市のオークラとか日航のシングルと殆ど変わらない。ちょっと感心してしまった。ブロードバンドも使えるし。あまりに必要十分なので、ホテルに他に何が必要だろうか考えてしまった。ガウン着て、ワイン飲んで、テレビを見る・・・様な事は、リゾートホテルでも僕はしないので、後は広さそのものが演出するリッチネス位かもしれない。
食事は、前橋駅前の金の水花なるダイニングバーちっくなお店で。地の物は余り無かったが、七輪焼もおこげも美味しかった。

[SHARP 904SH/35mm F2.8]

  • ここも悪くないが、翌日に行った下仁田「そばのれん」という自家製粉手打ち蕎麦もなかなかだった。