バブルへGO!
フジテレビの映画、バブルへGO!を見に行った。最初の30分は、このままSloppyなストーリー展開で広末の可も無く不可も無い演技を最後まで見続けるんだろうかと不安になったが、中盤から徐々に盛り上がってきて、最後まで見終わって総括するなら、なかなか面白かった。ストーリーを追う映画というよりは、基本的にバブル期の風俗の描写に「あったね〜こういうの」とうなずくのが主題の映画だ。中身は、最近流行の、見ると少し賢くなった気がする「ちょい教養番組」で「バブルを振り返る」みたいな企画と殆ど変わらない。ただ、これをテレビのちょい教養番組でやると目新しくも何でもないけど、映画にしてしまったのがフジテレビの目の付け所の良さである。
いま、好景気が続いて、バブルちっくになってきていると言われているが、二極化が進んでいるので、映画の中の様に皆が浮かれている感じは全くしない。あの頃はお金は降って来ていたとバブル入社の先輩は言っていたが、今はお金は局地的集中豪雨なのだろう。バブル期は皆タク券使えたし、経費もふんだんに出て、一般の人まで好景気の恩恵が行き渡っていたが、今はそんな事は無い。また、友人に聞いたところによると、ミッドタウンの最高家賃は月500万円で、バブル期の最高家賃が300万円だそうだ。これも、好景気の恩恵が一部の所に集中していることの一つの証左の様に思われる。
しかし、あれが懐かしい、これはもう無いねとか書き出すとキリが無い映画であるが、映画中、一つだけこの17年間変わってないものを見つけた。それは、フジテレビの映画のテイストだ。実はバブルも今もフジテレビは変わってないよってのが隠れた映画のメッセージでは無いかと思ってしまった。ホイチョイだから、ホイチョイ3部作とノリが似ているのは当然だが、映画中にキーとなる台詞をスパイスとして何度も使ったり、結局ケバめの女性はフラれたりと、91年製作の「就職戦線異状なし」と途中からカブってきたのは僕だけではあるまい。
90年代後半は日テレが強かったが、最近は視聴率三冠にも復帰・定着したし、景気が良くなると強いテレビ局なのだろう。