有求必応

 このブログを書いてるはてなダイアリーには、はてなカウンターという簡易的なアクセス解析機能があって、そのアウトプットをページの下の方の総訪問者数に表示させている。
 このはてなカウンターには、どこの検索エンジンでこのサイトが検索結果に表示されてクリックされたか、というのも集計されるのだが、ここんとこ目立って増えているのが、bing.comである。今このエントリをお読みのあなたもそうなのかもしれない。
 bing.comはこの6月から始まったマイクロソフトの新しい検索サービスで、もともとgoogleに対抗する積もりだったlive.comを発展改組して、bing.comになった。技術的には、googleより、意志決定支援によりフォーカスしており、買い物とかの時に、レビューサイトや価格予測などの関連情報をマッシュアップしてくれるらしい。
 サービス内容は使い込んでみないと評価は出来ないが、名前はなかなか面白い響きである。マイクロソフトは、いつもはVISTAみたいなひどいネーミングをするが、たまにキレキレの時がある。例えば、googleの有名なコーポレートモットーは、gmailの開発者であるPaul Buchheitが言った"Don't be evil"(邪悪なことはしない)であるが、このモットーの標的の一つは、独占というevilを貪るマイクロソフトであろう。その槍玉にあげられたマイクロソフトは、google対抗のlive.comを立ち上げたが、このliveという単語のスペルは、evil(邪悪)を逆から書いたのと同じ、いわゆるバックスラングなのである。「俺、邪悪の逆なんだけど」ってな感じだろうか。あくまで噂ベースの話だが、その意味を実際念頭においていたら相当な皮肉である。
 さて、このbingだが、中国語っぽいけど、実際「有求必応」(=求めれば必ずかなう)というのが語源で、必応の発音がbingらしい。正確にピンインを追えば、biyingだが、これを略したのだろう。母国アメリカでは、googleとは大差が付いてしまったし、根付いたgoogleエコシステムを崩すのも容易では無いから、まだ寡占では無い中国という一大市場に、中国っぽい名前で入って、オセロゲームを始めようと、そういう話なのだろうか。しかし、マイクロソフトが「求めれば必ずかなう」と自称するとは、「この世をばわが世とぞ思ふ望月の」みたいな響きですな。