ソニータイマー 発動の瞬間

 とりあえず日常生活を撮るカメラとして、SONYのCybershot W300というカメラを愛用していた。小さい筐体だが、ドットバイドットでの解像感があって、1/1.7インチ級の大型CCDで、手ぶれ補正も効き、マニュアルでシャッタースピードが設定できて表現の幅があったからである。それが、1年と少し使った頃に、突然レンズ周りから何かを排出し始めた。

  • 何か出てきた〜。

 おそらくレンズ内部のパッキンだと思うけど、なんかイタイケなカマキリの腹からハリガネムシが出てきたみたいで気分が悪い。このカメラは気に入っていたので、末永く使おうとサポートセンターに送ってみたのだが、何とレンズユニット交換で修理代見積が1万9千円なり。モデル末期に買ったので、新品購入価格を上回るという馬鹿げた値段である。以前、Casioのカメラを落っことして修理に出した時もレンズユニット交換になったが、こちらは9千円だった。メーカーは寡占化した上流のパーツと下流のサポートと金融でしか儲けにくくなってるのは十分知ってるけど、流石に新品の末端価格を上回ったり、競合他社の修理価格の2倍以上だったりというのは、ちょっと不当に高くは無いだろうか。しかも、1年の保証期間を2,3か月過ぎた瞬間という、例のソニータイマー発動なタイミングである。自分がハードに使ったのでダメージが蓄積して壊れたなら諦めも付くけど、この故障は、どう見ても使い方とは別の次元で、カメラサイドの耐久度の設計がもともと不足していたか、製造工程で貼り付け作業が雑だったか、そのどちらかとしか思えない。
 そういえば、修理代を聞いて、余りに憤激したので思い出したが、この機種は、最初に買った個体がひどい片ボケで、吐き出す絵のクオリティに我慢しきれずに、交換して貰った良品の筈の個体だった。僕はコンデジだけで10台以上使ったけど、落としたとかは別として、片ボケや自然故障は初めての経験である。ググると、どうやらSONYは台湾メーカーにOEM生産して貰ってるみたいだけど、どこで生産しようと構わないが、品質管理をちゃんとするか、修理代をリーズナブルにするか、どちらかは担保して欲しいものである。
 しかし、修理という選択肢が無くなって、買い替え検討しているけど、この1-2年で上記の

  1. 小さい筐体
  2. ドットバイドットでの解像感がある
  3. 1/1.7インチ級の大型CCDか裏面照射CMOS
  4. レンズシフト型の効く手ぶれ補正
  5. マニュアルでシャッタースピードが設定できる

という5項目を満たす万能コンデジは絶滅している。この5項目を全て満たせば、キムヨナ並みの隙の無い高得点が期待できるのに勿体無いことである。氷上では既に3回転半みたいな一発芸よりも、全ての要素を卒なくまとめることが重要になってきているのに、デジカメ界では未だに一発芸が罷り通っているのは実に嘆かわしい。
 さて、現実には、1.を捨ててCanon S90か、4.を捨てて、Fujifilm F200EXRか。NikonPanasonicもこのクラス頑張って新機種出して欲しいものだ。ガジェットオタには刺さる要件だと思うんだけど。後は、旧機種になるが、IXY 3000ISも選択肢の一つ。小さくて画質が良い万能コンデジは、上記の通り絶滅してしまったので、「小さくて画質が良い万能コンデジ種」の最後の生き残りの一つであるこの機種は、オクで人気化しちゃっている。ここんとこの3000ISのオク相場は、末期の新品価格を大きく上回る3-4万円台の取引になっており、コスパとしては相当悪い。
 なにげに、デジカメの世界では、リニューアルとかディスコンで同等品が無くなるパターンに嵌ると、中古市場が高騰しやすい傾向がある。Nikonのレンズ、28mm F1.4Dなんて、モデル末期は14-15万円で量販店で売られていたのに、いざディスコンになると、広角でF1.4というハイスピードレンズがNikonには他に選択肢がないから、一気に26万位まで相場が跳ね上がった。今では、パナのLX3やGRD3、或いはNikonの300mm/F4あたりが、仮に後継機種無くディスコンになったら、価格が急騰して、こういうアービトラージディールで儲けられるんじゃないかと思う。

  • むっ・・。Yet another chance to have a Sony timerだが、デジカメ初のフルHDに負けて、またSONYを購入・・。ええ、ばっちしビックカメラの5年保証今回は付けましたとも。