麻倉ゴルフ倶楽部でレッシュ理論実践の巻

 個人には昨年より見応えのあったマスターズが終わり、ゴルフシーズン開幕である。身の回りでも、当たれば270−280ヤード飛ばすと豪語していた後輩が、「マスターズで、タイガー・ウッズの平均ドライビングディスタンスが283ヤード、池田勇太のそれが279ヤードなんだけど」の一言で黙ってしまったり、3日目18番のフィル・ミケルソンのスーパーロブショットにシビれた上司が、リンクスの70度ウェッジを買ったとか、この前林に打ち込んだ僕が、最終日13番を再現すべく、狭いところを2オン狙いでアイアン振り回したら、芯を食って鋭く飛び出た玉が速攻木に当たってパチンコ状態になり、死人が出るとこだったとか、マスターズは色んな波紋を呼んでいた。
 一方の女子ゴルフトーナメントは新顔の優勝続出である。昨年は、横峯さくら諸見里しのぶの二強時代の到来を予感させたが、今年はまだ両人とも勝てていない。この前、ゴルフ雑誌を見ていたら、諸見里しのぶがレッスンする写真特集があったが、ゴルフのテクニックはともかく、お化粧のテクニックがもの凄い上達しているのに驚いた。心持ちダイエットした様にも見える。こう言うと皮肉しか聞こえないが、ストレートに言えば、カワイクなったと思う。私生活でも褒めるならストレートに言え、と色んな人から色んな苦情を受けている。諸見里のシーズンオフのコメントに、「最近、色んな人から可愛くなったと言われて嬉しい」みたいなニュアンスのも有ったから、大学時代から社会人初期に誰しもが経験する、急激にカワイクくなって、男どもが先物買いできなかった事を嘆くあの時期を迎えているのだろう。

  • 左が今で、右は3-4年前のお姿。右の当時も既に20歳前後とは思われるが、眉とアイラインに顕著な改善。

 ただ、副作用として、もともと可愛かった上村愛子とかは除き、当初は美人アスリートという取り上げられ方では無かった女子アスリートが、途中から美に目覚めたパターンと、木訥とした男子アスリートに彼女かカネかどちらかが出来て派手になったパターンは、その後アスリートとしては強くなった試しが無いのも事実である。特にダイエットで体の線が細くなるのは、ゴルファーとしてはよろしく無いと思われる。ターミネーター2のリンダ・ハミルトンみたいに筋肉ムキムキ路線でスリムになるなら話は別だが、日本人であの体型になるのは無理と思われるので、残念だが暫く諸見里しのぶの賞金女王は無いと断言しておこう。
 ゴルフついでの話題で、週末、視察シリーズの一環で麻倉ゴルフ倶楽部に行った。昨年開業の真新しいゴルフ場だが、東急と三菱地所のJVで、双方力を入れていると聞いて興味は持っていた。新しいゴルフ場だから、芝付きはまだまだで、所々ベアグラウンドに近い箇所もあったが、プレーに支障が出る程で無い。何が素晴らしかったかと特筆すべき点を挙げようとすると難しいのだが、欠点の少なさは逆に特筆に値する。クラブハウスも新しいし、新しいからややこしい会員の人間関係も少なそうだし、コースもトリッキーでも平坦でも無く、グリーンは難しくも簡単でもない。また、距離も7,100ヤードオーバーで十分あるし、今後トーナメントコースを目指していきたいとのこと。新設で木々もまだ若いが、これが成長していく楽しみもある。
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  • アンジュレーションもハザードも広さもまさに「妥当・適切」といった感じのコースである。

 という訳でなかなかのゴルフ場だと思ったのだが、今募集している会員権は、748万円と強気なお値段である。ただ、うち460万円が資格保証金なので、実質は加入登録金名目の288万円で、要は会員権相場が460万円+名義変更料が288万円のゴルフ場と考えれば良いと思う。同じ様な立地で欠点が少ない新しめのゴルフ場だと、成田ゴルフ倶楽部が大体400万円で、キングフィールズゴルフクラブが大体650万円がベンチマークだと思うので、748万円はそれと比べて多少高い。ただ、成田はコースは面白いが、今の路線で儲からないと習志野の様に大衆化路線に打って出る可能性があるアコーディアが運営という点ではディスカウントされていると思われ、500-600万円が相場といった感じだろうか。新設ゴルフ場は独特のクラブと共に成長する楽しみはあるが、経済的にはセカンダリーで値段が市場の洗礼を受けていないというリスクは避けられないのが難点である。あと、プレミアム要素なのかディスカウント要素なのかは判らないけど、クラブハウス他で、某石原軍団・某行列弁護士・某お笑い芸人をそれぞれ別の組で見た。会員同伴ルールが厳格でプレイヤーのマナーが良く、かつ人間関係が緩い新しめの高級倶楽部は、こういう裸一貫系新興有名人にはウケているのかもしれない。

  • ランチの鰻重。このゴルフ場は佐倉にあるが、常磐道や東関道沿いのこの辺りは鰻の産地なので、多数のゴルフ場が鰻重をメニューに載せているが、これまででベストのお味。

 ちなみに、残念ながらスコアは60・47の107に沈んだ。後半は、ドライバーこそ一発も当たらなかったが、大体200ヤード位残ったセカンドが比較的打てて、7ホールがボギーオン以上だった一方、前半は林とベアグラウンドからのアプローチで何打も費消してビッグイニングだらけだった。新年打ち初めで97を出して以降100が切れていない。週刊ゴルフダイジェスト誌に、レッシュ4スタンス理論なるものに基づく、「ゴルフの血液型」とそれによる打ち方の違いの連載があって、これは本当に目から鱗どころか鰓くらいどぼっと落ちるインパクトがあったが、開眼は前半には花開かなかった様である。
 このレッシュなんとか理論というのは、人が体を動かす動作を、重心と軸で4分類して、その分類毎に合った動作の仕方を提案するものである。重心については、かかと体重の方が力が出るタイプか、つま先体重の方かという分類で、軸の方は、人差し指が動きの基軸か、薬指が動きの基軸かで分けられる。僕はかかと重心で、雑巾絞る時は人差し指まったく使っていないので、薬指基軸だ。かかと重心タイプは余り前傾をきつくすべきでなく、かつ薬指基軸は指より掌全体に意識があるので、パームでグリップすると力が出ると言う。確かに、僕は前傾すると力が入らなかったり、運動の途中でかかと体重に戻すべく起き上がったりしていたし、フィンガーグリップだとクラブをホールドする事も難しい位グラグラになってしまう。また、「かかと重心・薬指基軸」「つまさき重心・人差し指基軸」の人は、体軸に対して斜めに力を入れると力が入りやすいが、それ以外の2タイプの人は体軸に垂直が良いと言う。思い返せば、運動会の短距離走において、僕は腕を縦じゃなくて斜めに振るタイプだった。あれには隣の進路妨害をしたいという無意識だけじゃなくて、斜めに動かした方が力を入れやすいという合理性が有ったのである。こんな風に経験則としても納得できたし、何よりレッシュ理論の分類が極めてロジカルだったので、このスポーツ理論は僕には大変刺さった。自分のタイプ通り、前傾緩くして、グリップを手の平よりにするだけで、もの凄く自然に振れるのである。これ以上書くと長くなるので詳しくはまたの機会にするが、テニスやボーリングにも応用できるらしいので、どんな運動でもこの重心と軸を意識してみると、開眼があるかもしれない。
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  • 久しぶりに天候に恵まれたラウンドだった。両サイドの若木が成長したら難しくなりそうなホール。