小さく産んで、大きく育てる。

オシムジャパンの初代表メンバーが、まずは13人だけ発表になった。あんまり驚きは無い。
幾つかのサイトの記事を見たが、最後にスポーツナビの記者会見全文を見たら、他の記事があまりに木を見て森を見ずの解釈が横行していたので驚いた。主観で第一報を書いたら、そうなるのかも知れないが、全体としては淡々と事実をそのままオシムは述べている様な感じだ。また、その淡々っぷりで、そもそもこの日程の関係でこうせざるを得なかった13人という不完全なメンバーでは、余り述べることは無いという事を彼は暗喩しているのかも知れない。
という訳で、あと7-8人誰が選ばれるかという大きな想像の領域が有るので、僕もコメントはしずらいのだが、一つ言えるのは、そろそろ旬を迎えそうな選手を選んだのかなという事である。何といっても次のワールドカップは4年後である。4年は長い。今が旬でも4年後にどうなっているかは判らない。そういう意味では、アテネ世代前後を中心に選んで、4年後にピークを持ってくる様に育成するのは正しい方法だと思う。ただ、それは先んじて結果が出にくい為、協会の協力なバックアップが無いと、監督個人としては苦しい選択と成り得るのだが。
あとは、オシムは余りフォーメーションを重視はしないと思うのだが、中盤の構成はちょっと気になる部分である。ラモス、名波、中村俊輔、小野とかを見慣れた目には、どうしてもエクストラキッカーらしき人間がチームに長谷部しか居ないのには違和感がある。長谷部は名波や俊輔とかとは違って、走れるタイプだが、逆に持ち球が多い訳では無いので、前線にプレッシャーがきつい時の長いトリッキーなボールでの局面打開は期待しにくい。
勿論、ワールドカップのドイツやオランダの様に、エクストラキッカーが居なくてもいいチームは作れるが、日本には両国の様なフィジカルもドリブルもミドルシュートもコンパクトさもまだ無い。日本の間延びした遅攻が、数日の練習でコンパクトでシンクロした攻撃に変身すれば良いが、幾らオシムとは言え、魔法の様に日本のサッカーが変わるという訳にはいくまい。そうすると、いざという時の中盤の底からのクリエイティブなロングフィードというオプションは試しておいて良いのでは無いかと思うのである。
トリニダード=トバゴもW杯出場国であるから、これを良い機会に、あらゆる可能性が試さない手は無いと考える。