Canon Powershot S80

 幾つデジカメを買ったら気が済むのだろうか、と自分であきれつつも、また買ってしまった。CanonPowershot S80である。この秋でディスコンになったらしいが、G7が出るまではCanonで一番いいコンパクトデジカメだった。これまでCanonはIXY 500を使っていて、コンデジの割りに、晴天下でハマるとメリハリの利いた素晴らしい絵を出してくれて、そこそこ使っているのだが、いかんせん絞りやシャッタースピードのマニュアル設定が全然出来ない。マニュアル設定が出来て、かつダイビング用のハウジングがあって、かつ画質が良いとなると、やっぱりCanonになってしまう。G7が出た事もあって、G7かS80か迷ったのだが、これは手振れ補正とDIGIC3 VS 広角という、どちらを取るかに軸は収斂出来て、結局広角の方を取ってしまった。

Osaka blue
[Canon Powershot S80/F5.6]

  • 御堂筋の銀杏並木。クリアな冬の青空に、光が透き通る銀杏が映える。こういうショットは、AEが難しいのだが、どんぴしゃだ。彩度がかなり高い絵作りは好みが分かれるだろう。

これで、今持っているコンパクトデジカメは、

  1. Canon IXY500
  2. Canon Powershot S80
  3. KODAK V570
  4. PENTAX OPTIO W20

の4つだ。流石に4つ同時に持ってても仕方なく、IXYとV570はお役御免で、オクに出すか、それも面倒くさいので誰か有効活用してくれる人が居たらあげる事にした。
 OPTIOは、水に濡れてもOKという防水防塵性とVGA/30fpsの動画撮影機能という優れた特徴が有り、一眼レフが塵でイカれそうな辺境の土漠におけるサブカメラや、スノースポーツやウォータースポーツ時のメイン、或いは簡易ビデオカメラとしての使用には十分である。また、小さいので、普段からカバンに突っ込んどくには丁度いい。これまで、カバンに常に入っているカメラの座と、簡易ビデオカメラの座(?)はV570が占めていたが、ここは完全にOPTIOにリプレースされた感じだ。ただ、OPTIOはレンズが36mm相当からと、いまいち広角が弱いので、パンフォーカスとはいえ23mmからを誇るV570を手放すと、手持ちのカメラでは広角が少々弱くなる。広角が無いと、建物とかが入る風景を撮る時とか、室内で集合写真ってのはかなり厳しい。


[NIKON D80 + SIGMA 50mm F2.8 MACRO]

  • カバー開けるとonになって、レンズが出てくるクラシックなタイプである。

 IXYを手放して、マニュアル撮影可能なカメラを買うに当たって、広角を気にしたのはそういう理由である。ただ、よく考えると、ダイビング中に撮影するたびに、「手ブレ補正欲しいなぁ〜」と思っていた事を忘れていた。この方面の撮影に関しては、引き続き失敗写真量産は必至である。しかも、さらによくよく考えると、次買うコンパクトデジカメはこれに決定しているのだった。

○SIGMA DP1
解説はこちら→IT MEDIA

 このSIGMA DP1は画素数こそ500万弱(このセンサーは、有効画素数を3分の1にして計算する必要がある)だが、デジタル一眼レフと同じサイズの巨大なセンサーを積んでいる為、画質は相当期待できる。画素数が多ければ高画質、というのはQV10とか、100万画素前後の時代の昔話で、今や画素数が多くなると確実にトータルでの画質は低下する。その意味では500万画素弱というのは丁度いいか、少し少ない位だが、コンデジ1000万画素機とかと比べたら画質は雲泥の差だと思う。レンズの性能次第では、下手な一眼レフよりもウェブサイト掲載やプリントでもKGくらいまでのサイズだったら、画質は上かも知れない。
 普通のコンデジは1/2.5インチというサイズのセンサーだから、24.5平方㎜のスペースに800万画素とかを詰め込んでいる。僕の一眼レフ、NIKON D80は、APS-Cというサイズのセンサーで、390.8平方㎜のスペースに1,000万画素である。16倍の面積に1.25倍の数の画素ということだ。当然、一画素あたりのダイナミックレンジとかの性能は、詰め込んでない一眼レフの方が良くなる。デジカメは、ある程度の画素数までは精細さが上がるので、高画素=高画質と言えるが、精細さの認識の限界を超えると、一画素あたりの性能の方が重要になる。コンデジの絵は何となく白茶けて見えて、一眼レフの絵にはどことなく色に深みがあったりするのはそのせいだ。今までコンデジは、どんなに大きくても2/3インチと呼ばれる58.1平方㎜のサイズのセンサーが一般的だったが、DP1はそこに一眼レフのAPS-Cサイズのセンサーを積んでいる。小さなボディに巨大なCCDを積むという、こんな無謀な構成のデジカメは歴史上これまで無い。僕は、このスペック見て、写真マニアご用達のGR DIGITALが出た時よりも遥かにエキサイトしてしまった。
 それで、このDP1のレンズが、28mm/F4で十分広角なのである。いつ出るかは知らないが、これで広角カバーできるなら、G7でも良かったか。ま、DP1が出たら、S80も買い換えるという手はあるが。

Japanese diversity
[Canon Powershot S80/F4.0]

  • 飲み屋で見た焼酎。完全に手ブレしてるけど、1/6秒だったので致し方なし。ISO200でこのレベルのノイズってのは一眼並みとは言わないが、普通のコンデジでは考えられない。辛うじてFujifilm F31fd位かな。PanasonicやSONYだと結構ひどいノイズになる。

 さて、ガジェットオタク話はこれまでにして、この週末は大阪に行って、S80を存分に使ってきた。やはり、フラッグシップ機だけあって、モデル末期だからIXYとかより安い位だったが、AFの速度も精度も全然違う。絞り開放で、テレ端マクロで写すとそれなりにボケる。最近は、CASIOとかSONYとか、とにかく薄くて小さいのがデジカメでは流行で、それはそれでバリューがあるのだが、これ位がっちりしっかりした作りだと、ボディもストレス無く動き、写り自体も段違いだ。写真は結局、

  1. 撮りたい時に思い通り撮れるか →AFの速度・精度、AWB・AEの精度、マニュアル設定の有無
  2. 最後出力する画像がキレイか →レンズ性能、高感度ノイズ

の2つ、つまり撮る瞬間と出る画像が重要で、それ以外のボディが小さいとか軽いとか格好良いとか、ソフトウェアが使いやすいとかは二の次だと思っているので、僕は結構S80気に入った。はっきり言って、相当デカくて、今時こんなデカいデジカメ使わないぞ、というサイズだが、なかなかどうして使えるやつである。


[NIKON D80 + NIKON AF-S VR 18-200mm F3.5-5.6D]

  • 今のコンデジはクレジットカードサイズが多いが、明らかにデカイ。そして分厚い。見慣れないレンズで撮っている所をツッコんでは駄目です。