南海特急ラピート

 月曜日は大阪で交渉のセッションがある。こういう月曜の出張は前泊するに限る。ここんとこ関西に行っていない様な妄想に囚われたので、今回も前泊することにした。
 日曜に大阪で下準備をしたいという事情もこれ有り、土曜の夜から大阪に入った。夜遅かったので関空である。関空は、場所がとても間抜けな所にあるという以外は、機能的でデザインも主張があり、好きな空港だ。少なくとも成田や羽田、或いは名古屋より数倍良い。
 関空にはJRと南海と2つの電車が乗り入れている。成田にJRと京成の2つが入っている様なもんだ。JRは大阪駅までストレートで行けるのが利点ではあるが、僕はいつも南海を使っている。南海電車というのは、清く正しい阪急沿線の住民からすると普通電車はパンチパーマとか腹巻とかの特異なファッションの人が多そうとか、そういう少々不当な偏見があって、乗ったこと無い人が結構居たりする。僕も正直数回しか乗ったことないし、標準語を話すのが憚られる雰囲気はあるので、あんまりいいイメージは無いのだが、この関空からの特急「ラピート」は素晴らしい。なんつってもこのデザインが相当キレている。


[SHARP 904SH/35mm F2.8]

R30スカイラインを鉄仮面と呼ぶ人は、その事を恥かしいと思うべきであろう。これぞ鉄仮面である。青い鉄仮面が街を走る。シュールである。

たいして高く無いので、僕はラピートに乗るときは、いつも特等なのだが、この座席は数ある電車のグリーン車のなかでもなかなか上位に位置する座り心地である。この固さが丁度いい。一方で普通車は特急とはとても言えないひどい代物なので、注意すべし。


[SHARP 904SH/35mm F2.8]

  • 横顔。この前フリーザに似た電車がローンチされたいた様だが、これはロビンマスクマニアがデザインしたとしか思えない。

 阪急梅田駅は、エスカレータを上った後の、一つ屋根の下に9つの始発ホームがどーっと横に並ぶ壮観で有名だが、南海なんば駅も似た構造である。こういう始発駅で行き先別に横にホームが並ぶという構造は、欧米では一般的だが、日本では余り無い。東急とかで無い事は無いが、3つくらいしか並んでないし、JRではターミナルであってもホームは左右に通過できて、始発駅の構造になっていない。シカゴ駅とか、ブダペスト駅とか、ああいう一つ屋根の下にホームが並ぶ巨大な空間というのは旅情をかきたてて良いものだ。阪急も南海も長距離路線が無いのが残念だが。
 余談だが、なんば駅に到着間際、美しい女性の乗務員に、特等のチケットを持たずに特等車に乗っていた不届き者のおやじがつまみ出されるのを見た。全席指定なので、故意だと思うが、鑑札に来るのが明らかなのに、あれをやれる神経が良く判らない。それだけ特等の座り心地が良いということの証左なのかしらん。