円高ビジネス

 強烈に忙しい。ブログどころか、呟ける暇も無いというのが正直な所だったが、やっと、ちょっと一息という感じである。いつの間にかドルは85円になっていた。銀行で働いていた時は、僕は根っからの円高派で、座ってたデリバティブチームから営業部門の方に行くと、「円高が来た」とか揶揄されていたが、その後10年間僕の相場観は外れっぱなしだった。今のドル円の数字を見ると、多少この忸怩たる思いが癒された気もするが、もはや銀行の同僚は、とっぽい「円高君」の事を覚えてはいまい。
 さて、ここまで来ると、かつてエンロンが長期の為替リスクを取る代わりに、ドル円金利差を利用して、格安の電力料金を日本の需要者に呈示した様に、フィナンシャルに価値を提供する商売って何か無いのかと思う。ドルもユーロも金利が低いから、ここは対象にならないけど、金利の高い新興国通貨で、超円高の長期為替予約を取って、輸入の商売が出来れば、かなり安い価格を日本で呈示できるだろう。FX業者は100年以上銀行が守ってきた為替鞘のハイパーディスカウンターだけれども、為替予約だけじゃなくて、超長期のクーポンスワップを扱ってくれれば、個人に為替リスクを取っての商売のインフラが提供できるんじゃないかと思う。新興国通貨の金利スワップは余り長い期間は無いのだろうが、10年あれば大分違う筈だ。
 個人で電力を輸入するのは無理が有るからなぁ。陳腐化せず、出来たら非競争的、或いは価格が下方硬直的な業界。貿易統計でも見てみるか。