2日目。LA→ボゴタ

 いつも通り寝坊して、昼からホテルのメインダイニングで朝飯を食った。昨日の晩にイタリアンに行ったばかりなのに、どうにも朝からハンバーガーは無理で、またパスタを注文する。果たして出てきた代物は、アルデンテでは無かったが、味付けは悪くなかった。アルデンテを生来から理解できるのはイタリア人と日本人だけであろう。本場のイタリア人が理解できるのは当然としても、なぜ日本人が理解できるのかと考えれば、それはラーメンという麺がのびたら不味く、かつ茹で時間にシビアな料理を常食しているからであろう。蕎麦や饂飩といったより伝統的な日本の麺は、ラーメンより茹で時間に寛容だから、ラーメンがこれ程まで普及しなければ、日本人のパスタのレベルも低かったに違いない。
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[Panasonic LUMIX LX3/ 24mm F2.0]

  • ホテルのツリーはどこでも見ごたえありますな。今年の東京では、フォーシーズンズがセンス良かったと思う。

 のびた麺を食っていると、なにやらどんちゃん煩い。当日は、どうやらインド人の結婚式がホテルで行われているらしい。民族衣装のインド人が大集結して、ドラムを打ち鳴らし、新郎は白馬にての入場である。LAのダウンタウンのど真ん中で大胆不敵な、と思ったが、ドラムの打ち子の慣れた感じからして、LAのインド人にはそう珍しくない形式なのであろう。レストランの白人ウェイトレスは、Nice traditionだろ、とLAに来て面白いもの見れてラッキーだな位の調子で胸張って言っていたが、少なくともあなたの伝統ではない気がする。その辺のアメリカ人が、移民カルチャーをどこまで「自分たちのもの」と思っているか度合は興味のあるところである。
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[Panasonic LUMIX LX3/ 24mm F2.0]

  • 分かりにくいが、LAのホテルのコリドールでインド人が踊り狂っている。

 飯を食った後は、これからの長旅に備えて切れた電池とか、服装類の補充に努め、空港に戻った。トラベルクリニックに寄ったりもしたかったが、寝坊のせいで時間切れである。さて、ここからベネズエラの首都カラカスを目指すのだが、Expedia.comで、行きはLA発のカラカスin、帰りは英領ケイマンのGeorgetown outのLA戻りというオープンジョーのチケットを探したら、行きがAvianca、帰りがDeltaという片道同士のコンビネーションが一番安かった。特に高いチケットを選ぶ理由もなかったので、最安のこれをブックしたのだが、Avianca(アビアンカ航空)は、コロンビアのエアラインで、さすがに使うのは初めてである。南米はこれで3回目だが、過去の路線検討時に、ランチリ航空とか、コスタリカコパ航空とかは選択肢の一つとして出てきたが、Aviancaというのはコロンビアは行ったことが無いからか、聞くのも初めてだった。普通にe-ticketにも対応をしていたので、昨年マリからガーナまで乗り、最後の最後まで飛ぶのかもチケットが有効なのかも分からなかったナイジェリアベースの“Aero”というマニアックなエアラインよりは随分近代的である。
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[Panasonic LUMIX LX3/ 48mm F3.5]

  • この赤い、在りし日のスイス航空みたいなのがAvianca。

 Aviancaは、コロンビアの航空会社であるから、隣国ベネズエラまで行くには、LA→ボゴタ→カラカスというルートになる。LAからボゴタが夜行便、ボゴタからカラカスまでが午前便だ。最近は、幾分安全になったらしいが、南アフリカケニアと並ぶバックパッカー的三大治安最悪国であるコロンビアのエアラインということで、どうにも国の悪印象がエアラインの先入観念にかぶってしまう。しかし、実際に搭乗してみると、これが予想外に(?)普通のエアラインであった。機体の基調色も赤で同じだし、ブラジルのTAM航空と似たり寄ったりのサービス・機齢では無かろうか。と言っても、TAM航空を理解してくれる人はあまり多くないかもしれないが。日本発着便がある会社で無理やり探すなら、アエロフロートより少し良く、中華航空並み、という感じだろうか。余り良さそうに聞こえないのが残念だ。それだけ日本発着の会社には世界でも指折りのエアラインが揃っている、ということなのかもしれない。ちなみに、予約する前にネットでこのAviancaの情報を集めた時には、日本で働くその筋のコロンビア人女性が強制送還されるときのルートが、このLA経由のAviancaなので、機内は妖艶な雰囲気であるという興味深い話があったが、この話は現在は少なくともガセであろうことは補記しておこうと思う。