北東北写真紀行

Tigers home
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 三連休は、ふらっと当日思い立って秋田に向かい、八戸から帰ることにした。その間の宿は家を出てから考えることにした。北東北だから昼は暑いが夜はしのぎやすくなっているに違いない。最悪、クルマの中で寝ても問題ない。どこであっても日本の先っちょは異文化である。沖縄もそうだし、四万十川下流の中村や柏島では日本語が通じにくかったし、天草も素敵な所だった。北東北もこれで3回目になるが、東京に居たのとは違う文化を楽しめる。
Departure
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 盛岡で秋田新幹線東北新幹線から分離される。その様子を熱心に鉄少年が見つめていた。秋田新幹線は、もともと単線の田沢湖線を通る。線形も悪いからスピードもいまいち。正直、普通の特急と何が違うのかと言われると、新幹線と言う名前が着いて東京から直通するか否かだけという気がする。
Iburi Gakko
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 秋田名物いぶりがっこ。郷土料理を食したが、魚と発酵をうまく利用した、豊かなものだった。ちょっと塩っけが多いのが欠点だが。そういえば、その昔、赤坂の秋田料理のお店を紹介してくれた女友達が居て、確かにそこは美味しい店だったのだが、随分と渋い趣味で面白かった。異性の友達にお店を紹介するときは何となく、その気は無くてもちょっと見栄の要素が入る店を言いがちなのはオトコだからなのか、若さゆえか。
Tower building
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 八甲田の山中を高圧線が走る。水力発電なのか、むつ市あたり謹製の原発取って出しの電気かは良く判らないが。街中にあるよりはマシとはいえ、景観上もう少しデザインを改善出来ないもんかねぇ。原発取ってだしならもっと禍々しくするとか、更に風車付けてみて、送電も発電も出来て、発送電融合です、みたいな。
Soba Flower
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 たぶん蕎麦の花が満開。秋田は相当の山間部に行かないと蕎麦を作っていない。東北と言えばやませが吹いてすぐ凶作というイメージが戦国ゲームオタには染み付いているが、事実としては東北の日本海側はめったに凶作にならず、平地が広がっているので水田が主流だ。初日の夕食を食べたお店の方が、秋田に来て蕎麦が食べたいという人がたまに居るが、秋田には蕎麦は余り無い、と言っていた。むしろ、太平洋側が山がちなので、水平を必ずしも必要としない畑作で蕎麦が取れる。
Japan Red
[Panasonic LUMIX LX3 30mm F2.8]
 男鹿半島真山神社。日本の赤は緑によく映える。かっちょいいと思うけど、こういう要素って日本の都市建築にも生かせないのかなと思う。
Bending House
[Panasonic LUMIX LX3 44mm F2.5]
 男鹿の曲がり屋。L字型になっている日本の茅葺民家を曲がり屋と呼ぶ。三連休は東北は天気に恵まれず、雨が続いた。ここでなまはげの実演が行われいた。なまはげ入るなり、3歳児位まではみな号泣して、大人の笑いを誘った。理屈無く「いい子にしないとまた来るぞ」と脅迫してくる怖い存在って今の世の中には貴重かも。
Stone pot
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 男鹿半島には、石鍋料理というのがあって、客の目の前で焼けた石を鍋に入れて、それで沸騰させる料理である。なかなかの迫力。なお、チープな観光みやげ物屋みたいなのが並んでいて、そのどこでも食べれるが、その並びの裏手にある美野幸という店はこの専門店で、おそらくここで食べるのがベター。由来は、浜の岩のくぼみを漁師が鍋代わりに使うためのアイディアだったとか。
Oga yakisoba
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 秋田名産の魚醤、しょっつるを使った焼きソバ。B級グルメで売り出し中らしい。僕は静岡県民だったが、率直に言って、B-1グランプリ2連覇の富士宮焼きソバより、こちらの方が美味しいと思う。もともと、魚醤好きというのは置いておくとしても。しかし、しょっつるだと、同じ魚醤でもナンプラー風味のタイ風焼きソバにはならず、日本の味になるんだよなぁ。
Volcanic Lake
[Panasonic LUMIX LX3 44mm F2.8]
 マールと言う、マグマ水蒸気爆発による火山地形で、これはその後湖になったもの。なんか、火山の用語って宇宙的な響きで好きだ。マール、カルデラ、トロイデ、コニーデ。何語なんだろう。
Hakkouda
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 これも八甲田の風景。こんな山の中、夏でも行軍したく無いです、はい。
Yachi Spa Hotel
[Panasonic LUMIX LX3 24mm F2.0]
 連休は半年前の予約開始日の14時には埋まるという日本三大秘湯こと谷地温泉。こんな思い立ち旅行で泊まれる筈が無いのだが、電話してみたら、当日キャンセルが出て泊まれることに。超ラッキーだが、何でも電話とかトライしてみるものですな。
Life is travel
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 人生は旅。おそらく、秘湯の後継者が居なくて、この地元のホテルに買収されたのだろうか。熱海の蓬莱も買収されたし、M&Aの仕事してて何だが、多様性を損なってるかもね。ファンド主導のスピンオフの案件とかは、多様性を作っているけれど。
Yachi Spa
[Panasonic LUMIX LX3 24mm F2.0]
 ちょっと暗いけれども、これが谷地温泉の湯船。38度と42度と二つの湯が湧いている。本当に素晴らしい湯だった。体に染み込む様に、まろやかな湯で、1時間入っていても全然大丈夫。青森は蔦温泉恐山温泉も良いし、ランプの宿こと青荷温泉や、酸ヶ湯温泉には行っていないけど、温泉大国ですな。
Rest
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 白神山地の入り口で門番をしていたトンボ。世界遺産にはそう簡単には行かせないという強い意志を感じる。
Tigers
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 ブナの山地は湿気が保たれていて、羊歯も多かったが、花もぽつぽつと咲いていた。なんという花だろう。背景に暗いところを選ぶと、なかなか映える色だ。
Anmon Falls 2
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 暗門の滝。名前ほどには凄くないが、まぁ山歩きの終点として一区切りつく程度には見ごたえはある。それよりも、ここに至る駐車場横の施設の「ビレッジANMON」というネーミングは何とかならんものか。
Anmon Falls 1
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 暗門の滝上から。上から撮るときはシャッタースピード上げて止めた方が迫力が出る気がする。水着なら泳ぎたかったが、どうも世界自然遺産となると、背筋を伸ばしていないといけない気がしてくる。沖縄はやんばるにある比地大滝も、山歩きの距離といい、滝や滝つぼの規模といい、ここに類似しているが、あちらは米兵中心に水着できゃっきゃ、という感じなのだが、こちらは太宰治ばりに難しい顔して、環境保護を考えないいけない感じになるのは謎である。
Rasen
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 ある種の二重螺旋構造。花まで咲いている。
Ichigo soup
[Panasonic LUMIX LX3 24mm F2.0]
 八戸に戻って、八戸の郷土料理を食す。美人すぎる市議がプッシュしていた「いちご煮」。別に苺が入っているキワモノではない。あわびにウニが入ったスープである。そこそこ旨いんだけど、残念ながらこういう北の料理って加工度が低くて素材の要素が強すぎるんだよな。いちご煮である必要が無く、あわび・ウニ汁といった方が人が飲みそうな気もするのが残念だ。そこそこ加工度が高くないと、料理としての付加価値が取れないし、素材が高価すぎて、加工度が低いと素材のバリューしか出ないのが辛い。つんくの服をパクっても、つんくが着てた服として闇でさばくより、シャネルの服として売った方が高い値段が付きそうとかそういう話。
See off at north
[NIKON D90 + AiAF Nikkor 24-85mm F2.8-4D]
 という訳で八戸駅。最終の新幹線は日本どこでも別れがありますな。三連休は雨が続いたけど、花発けば風雨多し、人生別離足るであります。