成田ゴルフ倶楽部を無料で愉しむ。

会社の先輩とゴールドマン=サックスのMDの方が土曜にカジュアルなゴルフをする事になり、そこにjoinさせて貰う事にした。場所を聞いたら成田ゴルフ倶楽部。名門というか、おハイソである。ここは高級ゴルフコースで有名だが、設立はバブル前後なので、歴史が有る訳ではない。ここは、ニュースに出ていた通り、ゴールドマンが買収している。MDの方は、もちろん会員とのこと。
まぁMDということで、それなりのコースに行く事は推し量っておくべきでは有ったが、明らかに予算オーバーである。4万円コースを覚悟して出掛けた。
スタートは8時。早すぎも遅すぎもしない。こういうのは会員様のお力だろう。
起きたのは6時20分。明らかに遅すぎる。こういうのは精神力の不足だろう。
慌てて準備して、家を飛び出し、10万kmを走ったボロオペルで湾岸から東関道を突っ走る。間に合うものである。20分前にゴルフ場に到着した。近いコース万歳!これも会員様のお力であろう。
ゴルフというのは首都圏においては、財力がそれなりに必要なスポーツで、ゴルフコースの駐車場はどこもそれなりに高級車が止まっているものでは有るのだが、ここは流石に一段超えている。ベンツで無くて、センチュリー。ベンツはベンツでもAMG。あ、これはゴールドマン=サックスMD様ご所有だった。あと、都内ナンバーの個人タクシーが何台も止まっている。半おかかえ運転手的に使っているのだろう。都内から往復3-4万円掛けてタクシー送り迎えでゴルフ。プレイフィーと合わせたら10万円近くになる。
日頃の善行の結果か、クリアに晴れた初夏の気持ちの良い日だった。コースはアメリカンスタイル。天気が良い日はこういう開放的なコースが良い。いつも行く様なリーズナブルなゴルフ場は、5-6分間隔でプレイヤーを詰め込む為、渋滞を引き起こすような激しいガードバンカーとかは無く、OB杭と立てまくって無理矢理前進させようとするのだが、ここは何といっても高級ゴルフコースである。びっちりとガードバンカーが配され、OB杭も少ない。しかもフェアウェイ全体が池に向かって傾斜しているコースまである。結果、ゆったりとした間隔で、たっぷりとバンカーショットと、山の上、谷の底からのリカバリーショットの練習をする事が出来た。涙が出る。


・晴れて暑すぎず。最高である。YAMAHAのドライバーは今日は右に左に。

しかも、ここはカートなぞという邪道なものは無いので、キャディさんのご託宣のもと、6,500ヤードをフルに歩かないといけない。ああ、ゴルフってのはアスレティックなスポーツだったのね。前半2時間でさくっと回ったので、調子に乗ってスループレイしたら、最後の1-2ホールは体が言う事を聞いてくれなかった。


・こういう狭めの所もある。

結果は、普通に行けば110台だったのだが、ラストでボールが暴れだし、OB・1ペナ・バンカー・3パットというゴルゴダのキリストもかくやという責め苦を負い、11打を叩いて沈没。トータル123。半年ぶりなので致し方なし。
意気消沈してクラブハウスに戻り、カツレツを食べて帰った。内装は流石に豪華だけれども、食事は普通かな。
全体として、スコアはともかく、気持ちの良いゴルフ場だった。


・冬は暖炉に本物の火が点るのであろう。

帰り際、精算しようとしたら止められた。取引先とのゴルフで有れば、ゴールドマンは接待費で落とせるとのこと。ありがたくご厚意を頂戴した。当社は、まだまだベンチャー企業の域を出ていないのと、社風が良く言えば質実剛健なので、こういう接待費は出ません。プロモートしたからと言って、たかっても何も出ないぞと。
しかし、最近よく投資銀行の方とのお付き合いが増えている気がする。2年前は当社の規模では見向きもされなかったのが、徐々に会社がグロースするにつれて、ビジネスの相手として認知されてきた模様だ。僕が3年前に入った頃に比べると、プロフェッショナルの数は2倍以上になっている。
あと、とびっきり優秀な人が揃っているトップティアの投資銀行の人は、こういったネットワーキングも欠かさない。別の投資銀行に居る友人も、I owe you, You owe meの世界だと言っていたが、全くその通りだと思う。投資銀行・ファンド・弁護士等など、この世界の仕事の何割かは、実にスモールソサイエティの中で、ぐるぐる回っている。このソサイエティにさえ繋がっていれば、結構なディールが回ってきたりするものなのだ。この繋がりを維持することの基本は、自分がビジネスで貢献する事だが、ビジネスとビジネスの間のネットワーキングもまた重要である。
外資実力主義だとか言われるけれど、実力とは立ち技寝技含めての結果を問われる訳だから、まだまだコスト節減圧力の強い日系金融機関は、寝技でビハインドする分、ちょいと辛い部分もあると思われる。顧客サイドでも、ビジネスジャッジで、寝技を食らったがゆえに、判断を迷う事は無いと思うが、ゆるい段階で最初に相談しようと思う所は、やはり普段から仲がいい所になるのは必然だからである。仲良くなるのに、仕事以外の付き合いも必要になってくるのは、洋の東西を問わないと思われる。その為のコストを会社が持つか持たないか。そこに会社のポリシー・状況が垣間見えて面白い。
当社は持たない。ベンチャー企業であり、個人で完結した仕事スタイルであり、バブルから90年代中盤までの日本営業マン文化に浸った人が少ない。こんな所が影響しているのだろうか。