とあるデューデリ

 今日は、朝一から遠路とある地方に乗り込んで、企業買収につきもののデューディリジェンスのkick-offに参加した。今回のデューデリは、案件チームの後輩が主にマネージするので、僕はずっとコンタクトしていた買収対象の社長に、初日挨拶に行く為だけの、「ファンド側の名代」みたいな感じなので、気楽なもんだった。
 しかし、実際行ってみると、色々問題は噴出するものである。僕は、デューデリを行う場合、初日に事務やヒアリングのフローの確定を行った後、全体を把握する為に、工場見学や業務や情報のフローの把握を行う様にしているのだが、兎に角定量的情報に乏しい会社である事が直ぐに理解できた。業務用のシステムが皆無に近く、エクセルで受発注処理を行って、それを女性が一覧にまとめて、経理のパソコンソフトに打ち込むという、売上が数十億ある立派な会社とは思えないオペレーションである。しかも、データを毎月上書きしていて過去データが無かったり等、情報を扱う上でのリテラシーの不足を感じた。こういった過去データに対する基本動作が、企業行動の質を規定してしまう。
 思ったより、投資できたとしても、その後は大変そうである。7Sというが、こういった組織のスキルの不足というのは、後々まで尾を引くであろう。買収直後から、全ての業務のやり方について、基本動作を徹底していかねばならない。