浜野ゴルフクラブ

 ここんとこゴルフ会員権も底打ちしてきたので、気に入った所があれば、会員権を買って、ホームコースを定めても良いかなと思っている。実は、祖父からの相続で、実家の近くのメンバーではあるのだが、そこは行けて年2回がせいぜいという事もあり、気軽に行ける近場にもう一つメンバーコースがあれば、より良いゴルフライフが送れるだろうということである。しかし、きょうびゴルフ人口の減少と、それに伴うビジター勧誘を狙ったネット予約の発達により、プレー権という観点での会員権の価値は相当下がっているのも事実である。7時台とか10時台とかの不便な時間帯でのスタートを甘受すれば、おおよそ9割方のゴルフ場は、会員でなくてもプレイできるのでは無いだろうか。この時代に、会員であることのメリットは、ネット予約を受けてない会員エクスクルーシブなゴルフ場であれば、そこでプレイできる権利そのものであり、またネット予約を受けている普通のゴルフ場であれば、8時台や9時台の比較的いい時間帯を取りやすいということ、及び両者を問わずオフィシャルハンディの取得とか、競技への参加とか、ゴルフのアスレティックな側面が充実すること、この3点位であろう。
Hamano Golf Club Fairway
[Casio EX-FC100 /43mm F8.8]

  • inコースはこの様にそこそこ水絡みのホールがあるが、outはそれも無く、だだっ広いホールが続く。そうは言ってもインペリアルみたいに、スコアが良くならないのは、不思議である。

 そんな訳で、少なくとも土日はネット予約を受けていないゴルフ場であれば、前述の一番目のプレイできる権利に価値があるから、そういう所の中から相性が合い、かつリーズナブルな値段というのが、購入候補のコンセプトになっている。それで、最近はプレイする度に、ここのメンバーシップはどうかなと心の片隅で思いながらクラブを振っているのだが、ふとGolf Digestのウェブサイト見ていたら、8月に限って千葉の浜野ゴルフクラブが土日に3-4組程度はビジターを入れているのを見つけた。ここはカートなんていう邪道なものは無く、キャディ付歩きオンリーのクラシックなスタイルのゴルフ場だから、酷暑時はプレイするメンバーが少ないのだろう。浜野は、名匠井上誠一晩年の設計で、もともとは日東興業のフラッグシップであり、新名門と言われたコースだ。普通の土日はメンバーオンリーだから、会員権的には価値があると思うし、そこを考えなくても、そうそうプレイする機会も無さそうなゴルフ場なので、ものは試しと早速予約を入れて行ってみた。

[Casio EX-FC100 /82mm F4.1]

  • レギュラーティーだが、昭和の香り。ちゃんとしたデザイン会社にロゴとフォントは頼んだ方がいいのでは無いだろうか。

 第一印象としては、とにかく広くて長いということである。ティーインググラウンドに立つと、見渡す限りの芝の広がりで、ノープレッシャーでドライバー振りたくなるホールが多い。しかし、これが目の錯覚で、確かに芝は広がっているのだが、フェアウェイの広さはまぁ普通という感じで、広大なラフがその外側に広がっているのである。僕はティーショットは方向性重視に転換したので、プレッシャーを感じるとすぐブラッシーやバフィーに換えるが、それでも終わってみればフェアウェイに乗ったのは僅か2ホールのみであった。また、このラフがまた芝がしつこく、ファーストカットで止まらないと、9番アイアン位で出すしかない時も多く、ティーショットもパットも悪くなかったのに、終わってみればスコアはいまいちであった。

[Casio EX-FC100 /36mm F3.6]

  • フェアウェイもラフもバンカーも平坦だ。

 また、井上誠一晩年の設計ではあるが、受けグリーンに見えるけど、グリーンの見えない奥半分は急な下りで、半分よりオーバーすると即死、みたいな井上誠一特有の嫌らしさは余り無く、ハザードは基本的にはほぼ全て見える設計である。バンカーのアゴも割と低かったので、レイアップすべきホールは余り無く、とりあえずアプローチはグリーンセンター狙いでOKな場合が多いので、ややもすると単調に思えるかもしれない。なのに、スコアがいまいちまとまらないのは、多分ラフに食われてアプローチがピンに寄らない事が多かったからだろう。これも設計の妙と言えばそうなのかもしれない。ただ、グリーンは比較的柔らかく、割とアバウトに打ったアプローチもびしっと止まり、ランが出ない。ここに慣れるとスピンや高さで止める技術が身につきにくいだろう。僕のアイアンは止まりにくいポケットキャビティだが、7アイアン位でも殆どランが出なかった。
 あと、メンバー中心のコースだけあって、組数は多く無く、静寂の中でプレイできたのは非常に良かった。40組に満たない位の客の入りだったと思う。これ位だと後ろからのプレッシャーも無いし、コースを分ける林が深いので隣のコースからの嬌声も無く、ついでに成田離発着の飛行機の轟音にも悩まされない立地である。こんな真の静寂の中、広いコースでプレイできるというのは、首都圏ではなかなか無いバリューだろう。そのせいか、蘇我インターから15分みたいな立地にも関わらず、妙にリゾート感があった。芝の状態も最高で、これほどティボット跡が少ないゴルフ場も少ないだろう。キャディ付オンリーでセルフで回らせないから、このクオリティが保たれる。
Hamano Golf Club Green
[Casio EX-FC100 /134mm F4.3]

  • 池越えショートホールの先で優雅にラインを読む前の組。

 最後にクラブハウスなどのファシリティは、日東興業の看板コースだっただけあって、新しくは無いけど、十分に豪奢で、かつ清潔であり、醸し出す雰囲気はさすがだなと感じられた。ただ、女子のファシリティはネットでも酷いと書かれていたが、本当に酷かったらしい。そこも、女性ゴルファーの激増に伴ってか、現在建て増し中らしいので、評価はその後であろう。今は女性ファッション誌に殆ど毎号ゴルフウェア特集が小なりとも載るし、ふらっと付いたリフレクソロジストの20台前半と思しき若い女性が「ゴルフ始めたんです」とか言い出す時代なので、女性用ファシリティの充実はどこのゴルフ場にとっても急務である。あと、短パン時にハイソックスをどこまで履いているかは、そのクラブの厳格さを示す一つの指標であるが、五分五分からややハイソックス派が多く、シャツはほぼ100%タックイン、という感じだっただろうか。ま、暑い時だから、ソックスは目をつぶるとして、シャツ位裾入れましょう、というのは、マナーと現代ファッションの妥協点としては悪くない。僕は短パン時は、UV対策と加圧による疲労度減少を狙って必ずボトムスにアンダーアーマーのヒートギア・レギングス(要は機能性ぴちぴちタイツである)を着用しているので、いずれにせよソックス規制は関係無いのだが、たまに名門クラブだと機能性下着もNGという、今田竜二もびっくりな規制がある時もあるので、どこまで厳しいかは気にしていたのだが、常識と良識の範囲内だと思われた。
 総じて、高級感もあり、静かで、良いゴルフ場だったが、7200ヤードを歩きしか選択肢が無いのは、翌日まで引きずるぐったり感とセットで、ここは若干躊躇する。9月の連休もビジターを特別ネット受付している様なので、歩きたい人はトライしてみてもいいだろう。また、通い込むにはややコースやグリーンが単調に思える。ラフが主なハザードというコースに続けて行ってみたことが無いので、断言は出来ないが。コース自体に変化のある、鶴舞カレドニアン、或いは石坂や大洗なんかも改めて行ってみて、総合評価をしてみたいもんである。どこにしても何のかのとあらが見えて、結局どこも買わなそうな気もするが、とりあえずは会員権を巡る視察プレイはしばらく続きそうである。

[Casio EX-FC100 /36mm F8.5]

  • 豪華なクラブハウス。クラブハウスの豪華合戦は上はキリが無いが、そこそこイイ線行ってると思う。しかし、このデジカメのセンサーは白飛びがひどいですな。高速動画を実現する為の極小画素CMOSだから仕方が無いが、殆ど携帯カメラレベルである。