ブライダルフォト

 先週、後輩の結婚式のカメラマンを務めた。披露宴はプロの人をメインに頼んでてその押さえ、二次会はピンで担当という感じである。ブライダルカメラマンは何回もやったことあるけど、メインでやるのは決して簡単な仕事では無い。記憶よりも記録を優先して、全てのシーン毎を隈なく撮り、テーブル毎にきっちりと全員を写真に収めないといけない。それも目をつぶってたり、他の人の影になっていない様に気を配りながら、かつアウトフォーカスしてボケたりしない様に、絞って被写界深度を稼がないといけない。結果として、写真としては面白くない絵を量産するのが仕事になる。一方で、そういう仕事をきっちりしてくれるプロが居る中でサブでやるのは気が楽で、プロの人が絶対にやりたくない、絞らないふわっとしたポートレート写真を狙える。また、構図としても、後ろとか、横とか下からとか、或いは望遠域からのポートレートとか、普通じゃないポジションで撮る余裕がある。
Cut but get together
[Nikon D90 / Tokina M100 100mm Macro F2.8]

  • 合計1021カット。結局少々の写真の技術より、被写体が自分認定のベストスマイルをしている瞬間かどうかが満足度を左右するから、多く撮っておいた方がいい。

 普通のポートレートは、撮るとき人が動かない前提だけれども、結婚式では被写体は動いているから、どっちかというとスポーツ写真に近い技術を要求される。スポーツ写真の分野で高感度性能がここ数年圧倒的に改善したのは、激しく動いている被写体のピントを外さないように、被写界深度を稼ぐ為に絞りたかったからである。中望遠域でバストアップで撮ろうとする時に、F2.8以下の絞りだと、ピンは睫毛に来ても鼻先はボケたりする。そんなシビアなピントなのに、被写体が動いていたら、いかに一眼レフの高速AFでもお手上げである。メインのカメラマンだったら、外さない様に絞って撮るが、サブだったら、気楽にデジタルの連写の中で何枚か拾えればと思って、絞りを開けられる。もちろん絞ったポートレートも普通にあるけれど、そういうのはプロや数多居る一般参加者のコンデジに任せればよろしい。そんな訳で撮り手としては結構楽しめた結婚式だった。
 あと、最近は20人に1人位は一眼レフ持ち込んでいるから、そんな人や或いはプロの人とカメラトークするのもオタ的には楽しかったりする。シビアに機材への投資リターンを考えるプロに対して、僕みたいなアマチュアは趣味でお金をつぎ込むから、腕とは逆に機材的にはプロを上回っている感があったが、他の列席者に銀色に輝くPentax 77mmリミを振り回している人が居て、それにはむむっと唸ってしまった。あと、参加者に某4とか3とかのカメラメーカーの人が居て、酔っ払った勢いであんな事もこんな事も聞いちゃったけど、ああ、話したい。話せない。
Getting out
[Nikon D700 / AF-S Nikkor 24-70mm F2.8G]

  • カメラマンに15万円も払ったら結婚式赤字!と思っている人、後編集無しデータ渡しだったら実費で出張しまーす(笑)まぁその編集に工数かかるからお値段張るんだけど。