名夜。

 旅日記ばかり書いてる気もするが、また出張で今度は総行程1,000km位の大がかりなドサ周りになり、最後は名古屋に泊まった。名古屋に泊まる時は、名駅のマリオットが名古屋で一番のホテルの割にリーズナブルで、しかも駅近でいいのだが、今回は以前泊まったことのある、ソフィテル・ザ・サイプレスに泊まることにした。理由は、ホテル経営者界のハーバードとも言うべきアメリカのコーネル大学を経営者の女性の方が出られており、前泊まった時と何か変わったかと経営手腕に興味があったからである。
 僕は、バックパッカーということもあり、移動に疲れたときに目に浮かぶのは、未だに、アフリカはザンジバルの修道女が営む海辺の宿、同じくアフリカ、マリの旅人の終着点として宿を始めたと思しきカナダ人の自然と同化したような宿である。そんな素晴らしい宿の思い出と、あと出自もあって、将来ひまになったらホテルか旅館は経営してみたいと思っている。特に衣食住全てにおいて提案できる日本旅館フォーマットを西洋の生活様式にモディファイした上で世界に輸出してみるのが夢の一つなので、ついつい旅に出るとそんな目で宿を見てしまう。

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  • 名駅、新幹線のホームの柱である。古い駅舎の上に新しいガワをかぶせたのだろう。古い鉄とステンレスの質感の違いが興をそそる。

 と、長く引っ張ってみたが、ソフィテルは結論的に殆ど変わっていなかった。オペレーションが確立しているのだろう。後は、ビジネスホテルのクラス以上であることをどう主張するかが課題だろうか。広告宣伝と1階の雰囲気だけでは、そこを明瞭に認識できない。エレベータ上がって、廊下と部屋の雰囲気でようやく判る程度である。ここのアメニティは、ロクシタンで、いつも家で使っているのと同じでとてもGoodなのだが、例えば名駅に近いのだから、1Fにロクシタンのショップを誘致して、ロクシタンの芳醇な香りにフロアを満たすのも面白いと思う。JR東海の運営するアソシアホテルは、マリオットも運営していて、マリオット・アソシアとダブルネームにして、アソシアブランドの向上と認知を企図しているが、他社ブランドを利用した自社ブランドの立ち上げは、名前を並べるだけが手法でなくて、入っているショップやレストランを使うのも十分可能と思われる。
 さて、難しい話はここまで、名古屋に泊まったら夜は栄・錦である。夕食は名古屋出身者のリコメンドで鳥銀本店。ここの名古屋コーチンコースは、懐石フルコースで7,000円そこそこと、とても安い。東京だと倍くらい出せる気がする。風来坊/山ちゃんの手羽先の次の鳥料理を求めるならいい所だ。界隈をうろうろしたが、すごく賑わっており、宵っ張り揃いの九州の街とまでは未だいかないが、昔の夜の早い名古屋は確実に変わりつつある気がした。ボーナス直後、ということもあるのだろうが、経済の活気が、街を変えているのかもしれない。東京の様に、投資銀行や弁護士、戦コン、ヘッジファンドから不動産ファンド、IT系経営者、マスコミとか、個人の能力で飯を食って、それ次第で稼ぎが億の単位を臨む層や、潤沢に経費を使える層がそこそこある地域と違って、どちらかというと全員参加型で経費に厳しい製造業主体のこの街の夜が盛り上がるのは、とても健全な話だと思われた。

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 最後にどうでもいい話ながら、泊まりありの出張に、外出しての夕食、その後の街見物はつきものだが、この時のパンツとバックはいつも悩みの種である。スーツのパンツを履き続けるのはどうにもOff感が無くてスッキリしない。これは私服のボトムス一着くらい追加で持って行けばいいのだが、バックは嵩張ってもう一つとは気軽には行かない。前はたためるプラダのショルダーを持って行くことが多かったが、スーツルックにショルダーはどうにも似合わないし、こういう10代の頃のバックを持つのが恥ずかしい年頃にもさしかかりつつある。次はドルチェ&ガバーナかMARNIあたりの毒のあるショッピングバックあたりかと思いつつも、大人の一品を悩み中である。