企業経営

D7200の延長線では日本のカメラメーカーはダメになるだろう。

D7200デビュー 噂通りニコンD7200が今日発表になった。デジタル一眼レフというジャンルは、大きなイノベーションが産まれない分野になって数年が経ち、前のモデルからの漸進的な進化に止まるスペックだ。ニコンで言えば、2007年のD3/D300発表、並びに2008年…

ネット巨人二社の壮絶な相討ちと独禁法なる茶々

YAHOO!が「買い物革命、始動!」らしく、YAHOO!ショッピングを出店無料、売上ロイヤリティ無しとし、ヤフオクの出品料も0円とする事を発表した。業界トップの楽天を狙い撃ちにしてるのは明らかな施策である。ちなみに、楽天の出店料は月額5万円、売上ロイヤ…

CORPORATE PREFECTURES OF JAPAN MAP

ちょっと前に話題になってたこれ。 ■出典:Steve Lovelace "CORPORATE STATES OF AMERICA MAP"ふむ。と思って週末しこしこと日本版作ってみた。その県で起業された会社によるコンスーマーブランドの例。その県出身者が起こした企業もどうかと思ったが、静岡(…

広告とM&Aを人が繋ぐ。

気合と実際 さとなおさんが書かれて話題になってた一件に便乗して。○シャープやパナソニックやソニーの凋落を、広告人や広告会社はもっと恥じるべきじゃないかなさとなおさんの論旨は題名に尽きている訳ですが、第一印象として、気合の入れ方としては正しい…

バター守るのにも全力出すTPP

TPPに聖域あり TPP参加交渉開始が話題だ。僕も、ある程度情報は積極的に集めてはいるが、まだTPPが全体にとって国益に叶うのか、そうで無いのかは良く判らない。影響が複雑すぎるから、得失の判断がそう簡単で無いのである。一方、世にはとにかく推進とか、…

iPhoneが米国を救い、GALAXYが韓国を救う。

JPモルガン・チェイスが、9/12にリリースと言われるiPhone5が米国GDPを0.25〜0.5%押し上げる可能性がある旨のアナリストレポートを発表した。計算は単純だ。 iPhone5の販売価格:600ドル うち米国に帰属する付加価値:400ドル ×10-12月予想販売台数:800万台 …

東電を辞める人たち

Chikirinさんの"その船を、いつ降りる?"というエントリを見て、或るクラスタの境目を感じたのでそれをしたためる。Chikirinさんのポイントはこうだ。 東電の退職者数は原発事故前後で3倍にしか増えておらず、もともと絶対数は少ないだろうから、今も余り多…

ホテルで服を買う人たち

20才の頃、お金も無く、良くてユニクロ、下手するとジャスコで服を買ってた。いや、ジャスコでは正確には買っていない。帰省した時に、親が僕の服装のみすぼらしさを不憫がって、近くのジャスコに夕ご飯の買い物に行ったついでに、安売りの服を買って恵んで…

スーパーサラリーマン増加の件

前のエントリ「若者とシニアは安い職を争うが、一旦働けば若者は優遇される。」の書き物をしてる時、数字を拾っていて面白いことが判った。前の論旨とは若干外れるので、一緒には書かなかったが、給与所得者の中の富裕層を調べると、これが二極化というか二…

若者とシニアは安い職を争うが、一旦働けば若者は優遇される。

twitterで貧困の再生産の話をたまたま紹介してくれた方がいらっしゃって、その話を読むに色々考える所はあったのだが、こういう話は印象論じゃなくて、一度は貧困の真実を数字で掴まないと思考がフワフワするなと思い、簡単にデータを拾ってみることにした。…

日本の病の一つ目。「戦力の逐次投入」

まだ、考えがまとまりきって居る訳では無いが、幾つか典型的に日本人や日本企業が構造的、或いは風土的に不得意な種類の意志決定が有る気がする。読んで頂いている皆様も常日頃から、同じ事を感じているのでは無いだろうか。こういうステレオタイプに物事を…

服部家、或いはお屋敷というものの没落

たまたまダイヤモンドを見ていたら、冒頭が服部セイコーグループのすったもんだだった。ご存じ服部時計店である。リーマンショックで本業の時計が赤字になった上に、銀座4丁目の日本で一番地価の高い交差点に聳え立つ和光もずっと赤字で、一行丸抱えメーンバ…

Cobraとプーマ統合

ゴルフクラブメーカーのCobraを、スポーツ総合メーカーのPumaが買収する様だ。 フォーチュンブランズ、コブラブランドをプーマに売却で合意 アクシネット(タイトリスト、フットジョイ、プーマ)の親会社、フォーチュンブランズは3月10日に同社が持つゴルフ…

銀行再々編

久しぶりに銀行の再編が相次いでいる。新生とあおぞらに続いて、住友信託に中央三井が統合を発表した。 銀行というのは基本的に規模の利益が大変良く効く業態なので、こういう似た様な銀行が統合するのは経営的なメリットが判りやすい。例えば、日本の銀行は…

small GM

この所の時間の流れの早さからすると、いささか旧聞に属する感じだが、GMの優良資産の移管に連邦破産裁判所が許可を出した様だ。これで工場などが新会社に移り、営業が開始できる一方、旧GMの法人格には売却か清算するブランドに属する資産が残り、順次回収…

JALに貸す意味

日本航空=JALに対する日本政策投資銀行の「危機対応融資」なる1,000億円規模の融資に、一部政府保証が付く様だ。 せっかく改善してきた市場センチメントを悪化させない為に1,000億円使った様に見える。もっと言えば自民党による選挙対策かもしれない。選挙前…

オラクル、サン買収の先には

サン・マイクロシステムズは間違った方向に行ったと、何回も過去言われてきて、この会社はしぶとく外野の声をこれまで跳ね返してきたのだが、ついに他社の軍門に下る日が来た。買収したのはデータベースの巨人というか、買収で作った企業向け業務ソフトウェ…

あきゅらいず美養品「泡石」マーケティング&人柱考

1年位前まで、洗顔はDHCのフェイシャルソープと決めていた。企業買収ファンドという商売をしていると、顔を洗って出直したい気分にはよくなるし、ストレスによる肌荒れも日常茶飯事なので、洗顔石鹸は重要な商売道具である。ま、日中凹んだ日に、洗顔・歯磨…

フェデックス炎上とその報道

今日は風が強くて、スーパーハードのワックスで固めた髪も、出社の頃には無茶無茶になっていたが、成田では飛行機が横風にあおられて落ちてしまった様だ。広州発のフェデックスの貨物便である。 フェデックスは広州がアジア地域のハブである。何を運んでいた…

ソフトバンクの財務戦略

ソフトバンクモバイルが、やっとデータ定額を導入するというニュースが4日に出た。面白いことに、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)として、ライバルであるイー・モバイルのデータ通信網を利用して提供するらしい。ディズニー…

陸マイラーとネットサーベイ

過去の2エントリにある通り、妙なクレジットカード調査熱が一瞬燃え上がって、この瞬間だけヲタク化したが、もう飽きた。ただ、その過程で陸サーファーならぬ陸マイラーなる存在を知った。飛行機に乗ってマイルを貯めるのではなく、カードとか物販サイトのポ…

カメラメーカーの経営

D700を予約して、多額のお布施をニコン様にすることが決まったので、ふとカメラメーカーの経営について、思う所があった。別に大した話では無いのだが、カメラメーカーってのは、自社ボディには他のカメラメーカーのレンズは付かない、レンズシステムという…

苦肉の計

本日月曜日の日経の、「経営の視点」というコラムに、下原口徹さんという編集委員が、アクティビストファンドについて書いていた。内容は、三国志演義の「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」という故事から、死せる村上ファンドが生ける松坂屋を大丸との統合…

三洋の危機と希薄化の織り込みについて考える。

三洋電機が相当危機に追い込まれている。過去の粉飾について、泣く子も黙る証券取引等監視委員会が調査をしている様だ。要は05年3月期、06年3月期に出した巨額の特損は、本来04年3月期に出すべきだった減損損失を先送りしたものが含まれていたということで、…

あるある事件は日本を写す鏡。

最初に関テレの「発掘!あるある大事典」事件を企業サイドから考えてみたい。事件の内容は知れ渡っているので解説は省くが、この番組は、消費財やってる企業にとっては都合の良いマーケティングツールだった。マーケターの間では、例の製作会社に2千万円つか…

エンロン

古くからの、親しい友人の勧めでエンロンという映画を見た。もともと11月頃に公開していた映画だが、渋谷のライズXで1月19日まで、シネラセットで2月9日までは見ることができる。題材はもちろん、かのエネルギー企業であり、米国最大級の企業スキャンダルを…

財務レバレッジ・アゲイン

今日、大手投資銀行主催のセミナーに行った。内容は、負債と資本の境目にあるメザニンとかハイブリッド証券と呼ばれる分野についてである。中身自体は極めて興味深かったのだが、最も印象的だったのは、「この分野は、資金調達では無くて、資本調達と考えて…

アメリカの経営者の意識

この所あれやこれやで殺人的に忙しい。めざにゅーどころか、めざましテレビをやってる頃に家に帰り、はなまるマーケットが終わる頃には起きて仕事するという日々が続いた。それでも体が持つのが、人体の不思議なのだが。 前置きはさておき、アメリカでフリー…

LUXブランドの凄さ

9/24に無事に日本に帰ってきた。そこからは殺人的なアポイントと、休暇明けのそことなしの後ろめたさで、まったくプライベートの時間を作れなかった。旅行記も全然更新していないし、写真も整理できていない。おいおいこれらはやっていこうと思う。 という訳…

第一三共・ゼファーマ、4社統合の戦略的視点

ここんとこM&Aやら経済やら真面目な話題続きなので、ゆるい話題をと思っていたのだが、ついに、このネタが記者バレしちゃった様なので、今日も少々堅い話をする事にする。ゼファーマのスポンサー決定の件だ。最終選考プロセスはもう少し掛かると思っていたが…